思いついて見たのです

 そういえば八年ぶりだなぁ、と。え?『装甲騎兵ボトムズ』の赫奕たる異端、孤影再び、幻影編、つまり後期、というかフィアナが退場した後のキリコを描いた作品群ですね。発表順には見ましたが、物語の時系列には見た事なかったなあ、と。

装甲騎兵ボトムズ 幻影篇 1 [Blu-ray]

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 物語としてはよくできているよなぁ、というのが改めての印象です。そして、テイタニア、可哀そう・・・ココアはいくつになっても可愛い。
 CG描写のAT、見慣れると違和感がなくなりますが、動きがスムーズである為に機体が軽くなっているみたいに見えます。セル画だと何故か重々しく感じるのねー。まぁ三十年という歳月でATの素材が軽量化された、とか考えればいいのか?
 ボトムズの世界観を利用して他の作品が成立すればいいなぁ、と思う時はあるのですが、本編みたいにここまでビターテイストの作品をつくるという事は、今の製作現場、スポンサーサイドの意向、とか考えると難しいのでしょうか?まぁスポンサーはね、売れると判断すれば割と首を縦に振ってくれそうですけれどもね、どうなんでしょうね。
 考えてみれボトムズの世界観の根底にあったベトナム戦争みたいなものも歴史の彼方です。幻影編と孤影再びに描かれた一般人の社会は、悲惨な戦後ではなく、それでも人は生きていく、という諦観にも似た平穏があります。これが2010年代の空気というものなのかも知れません。
 だとしたら、ボトムズも描かれるとしたら、また異なった世界観が必要なのかも知れませんね。