むっちゃ切ないんですけれども

 正直読むのが辛かったです。でも読むことをやめられない。

 戦争に人生を翻弄されるって物語、良く目にするし読むけれども、創作物とはいえ、ここまで圧倒されるって、あまり知らないと思います。自分は。
 主人公の女性は孤児で(ひょっとしたら戦災孤児かも知れない)故郷の為に従軍し、薬物実験のようなものに知らずに参加させられて、誰にも知られていない少数民族の殲滅戦を、怪物退治のように命じられ、彼らに捕らえられた事により、薬物実験で同じ人間を『怪物視』させられていた事を知る。
 多くの仲間を、その少数民族との戦いで失い、少数民族もほとんどが死んでしまい、軍役を終えて英雄として故郷に戻り、男性と知り合い、恋人となり・・・その彼が全滅した少数民族の唯一の生き残りで、復讐する為に彼女に近づいたのか、愛していたのか、その愛憎に彼女は晒され、彼女自身も彼に対して愛憎を・・・一旦は乗り越えて結婚しても、やはり彼の中の狂気は収まらず、故郷で殺人事件が起き続け、彼は去っていった。
 一旦は好転した戦況は再び悪化の兆しを見せ始める・・・
 さて次巻はどうなるの?どーなっちゃうの?
 帯に『SF巨編』って書いてあるけれども、これは『スコシフシギ巨編』だと思うけど・・・どうなんだろう?
 はぁ・・・辛いけど次巻が楽しみですよ、はい。