鼻水がとまらないー

 つまり花粉症真っ盛りでござりまする。おかげでブラウザゲー以外手につかない状態(マテ
 なんとかシナリオを進めたいですのぉ。それとは裏腹に、今週末金曜日に返却するべく、読まなきゃならん本が後二冊あります。読み進めなければなりません。昨夜ようやく最大の大物をやっつけましたからネ。

 お、東大大学院の教授の方ですね。率直にいうとこの方の研究が百年間の通説に風穴を開け、かなり実情が明らかになった、といえる。そう思います。
 この論文によると、それまではシチリア王国統治機構は中世初めての中央集権体制と評価されていたのですが、なんだか良く解らない。その原因は残された文献がギリシア語、アラビア語ラテン語で残されており、それを全時代共通のものであると認識されていたからで、ごちゃごちゃしていて解らなくなってしまうという。
 これを各王、各時代別に整理すると、何の事はない。モザイク状のギリシア人、アラブ人、西ヨーロッパ系の人々の居住地域それぞれに対応した文章、役職名があり、時代の変遷とともに、その役職も変わっていった、という事です。
 ただ残された文献に限りがある事も事実であり、使用用途不明の単語も一杯あって、全容解明にはまだまだかかる模様です。
 考えてみれば中世というのは古代ローマ時代に比べると流通が圧倒的に劣化した時代であり、その時代の限られた地域しか支配していない、領主の第一人者みたいな『王』が、官僚機構を整備、運営、維持できるほどの財源を持てるのか、というと疑問ですよね。
 もちろん識字率が圧倒的に低い中世において、知識人を組織して記録を残す事ができること自体、他の王権よりも進んでいるとは思いますが、でも最近、ヨーロッパの王権って思ったほど絶対王権を確立した時代は古くないと思い始めています。ルイ十四世がフロンドの乱を乗り切ったぐらい?って事は17〜18世紀なんですよね。
 皆、近世以降の王のイメージを中世の『王』に重ねているから、誤解しているのではないかな?そんな認識にさせる本でした。
 あ。もう一冊は明日に回します。