体調は回復しています。

 たぶん。昨晩から今朝まで腹痛はなかったし、便は軟でした。少量でしたが。ま、この調子なら明日、親父が飲みに行ったとしても家飲みできるでしょう(は?
 さて、最初はまとめて感想を、と思っていたのですが、読み終わったら、やはり書きたくなりました。

 前々から気になっていたのですが、購入する踏ん切りができなかったのですが、ネット記事で鴻上さんと、今読んでいる『戦争調査会』の著者井上寿一さんが対談しているのを読んで、がぜん興味が沸き、購入して読んでみました。
 九度の出撃を生き残り2016年に九十二歳で亡くなった佐々木友次という方の記録を下に特攻という異常な現象を説明解説していますが・・・まぁ、端的に言えば敗色濃厚になった参謀が何やっていいか解らん。とにかく国民を一致団結して戦争に駆り立てないとヤバい。んぢゃ世論を喚起させる事は何か?勝利は覚束ない。ならば兵士が命を賭して戦う姿を見せつけるべきだ。自爆攻撃という凄惨な方法で。という感じに思いついたものが特攻だと。
 確実に敵艦に当てなければならないから熟練パイロットを用いる。志願という形はとるけれども、圧力と雰囲気で強制的に志願させるという現代の自衛官にも行われている、まぁ一言でいうと卑劣な方法でパイロットを調達し、つっこませるという。命じられた方にしてみれば必至で練度をあげて、効果的な攻撃を行うために何百、何千時間と訓練したものを一瞬で消費しろという不合理さ。しかも現場指揮官は左遷された歩兵出身の、つまり『無能な』最高司令官。
 思考停止した参謀は、優秀なパイロットこそ温存して何度も出撃して、攻撃するという事さえ思いつかない。現場を知らないから未熟なパイロットに練習機さえ特攻に使えと言い、そんなもん敵艦にたどり着く前に落とされる、と現場指揮官に指摘されると精神論を怒鳴る。んぢゃあ、と現場指揮官が箱根で自分は零戦で待っているから、在席している五十人全員が練習機で来てください。全部叩き落してご覧にいれますから、というと誰も反論できない。そのとおりだから。
 それでも多くの人が特攻に『命じられるまま』向かったのは日本が『世間』の文化だからだと鴻上さんはいいます。村社会の構成員は自分が損をしても村に利益がもたらされれば、まわりまわって自分にも利益が来るという考え方。現代日本にもその考えが染みついていて、薄利、あるいはボランティアみたいな仕事をしてしまう人が多い。それが日本人か特攻に向かった理由ではないか?と言います。
 自分はそれが凄く腑に落ちまして、町内のお祭りの時にもそうだけど、日本人って精神論や雰囲気や、そういうところで説得しようとするのですよね。自分はマイノリテなので、そして町内への帰属意識もそれほど強くないので、お祭りに参加する具体的な利益やら、目的やらを提示くれ。そもそもあなた方だって積極的にやりたくない事を人にやらせようとするのか?と反論すると、大概の人は黙ります。
 そういう事と根っこは同じなのかなぁ、と思いました。
 あ、精神論だけで人を動かそうとする人はリーダーとしては『無能』だそうです。自分は、やる気だけではどうにもならんと思っているから、方法論で指示を出すように心がけていますが、確かに精神論は、何も考えなくてもいいからなぁ。そういう事しか言わない人は、思考停止しているから排除した方がいいって事ですね、はい。