リトル・フォレスト

 運転中に読むつもりでおいておいたら、ショート配達ばかりだったのでなかなか読み進みませんでしたが、昨日読了しました。

リトル・フォレスト(1) (ワイドKC)

リトル・フォレスト(1) (ワイドKC)

 一応東北地方の、おそらく岩手の内陸部になるのでしょうが、架空の土地、小森を舞台に、一度は都会に出たけれども、なーんか都会の生活が地に足がついていないというか、薄っぺらく感じてしまった二十代後半の人々の中で、主人公だけは、ちょっともやっとしている状況。
 主人公の母親も・・・おそらくシングルマザー・・・そして毎日の食べるものを確保する為に、日々絶え間なく農作業をしていく中で、主人公が中学生ぐらいの時に、忽然と失踪・・・え?特に理由も語られないところがねぇ。
 設定的には重いのだけれども、何故か妙にポジティブで、主人公も人々も、実に楽し気に農作業にいそしみます。天候や野生動物の食害に嘆いたり、出来が良かったと喜んだり、たくさん取れすぎて処置が大変と嘆いたり・・・
 これ読んでいると、農家は休みがないととるか、それとも毎日が休みのようなもので好きな事を毎日やっていると考えるかで、印象が全て変わってしまいます。
 世のブラック企業と称される会社は、創業者や幹部は、仕事=楽しみみたいなところがあって、ついつい仕事を抱え込んでやってしまう。ところが生活の為に入社した人にとっては、就業時間は守られてこそであるし、残業など時間の浪費であり自分がしたい事をやりたいとなる訳です。残業代目当てで時間を有効活用しない人も出てくるしね。
 仕事スキーな人にとっては趣味の一部なので、ブラックでもなんでもない。でも趣味が仕事にならなかった人にとっては理不尽な事でしかない。両方の理屈が解るので・・・なんともねぇ。
 漫画の中のレシピとかは、手間暇かけてつくる料理なので、お手軽料理ばかりつくっている自分には敷居が高いですが、なんかの拍子につくっちゃうのかな。
 WOWOWでこの作品を映画化したものが、また放映されたら見てみよう・・・