『この世界の片隅に』

 最近購入したアニメのBDは二回づつ見ていますね。

 なるほどリンさんのエピソードが抜けているので、少しだけ夫婦喧嘩のシーンが軽いというか、水原さんの事や自分が重傷を負った事、幼い女の子を死なせてしまった事が、わだかまりの原因みたいになっています。リンさんのエピソードが切ないので、これが落ちているのは惜しいな、確かに。
 しかし全体的な演出は引き込まれるし好きです。ほんのちょっとの違いが生死を分かつのが切ない。それでも生きていかなきゃならない。この作品を反戦がどーのこーのという人は、ちょいと老害の兆しがありますな。ちなみに老害というのは他者の意見を取り入れる事を拒む人です。そして自分の異なる見解を頭ごなしにやっつけようとする人。つまり、付き合いきれない人ですね。
 実は声高に戦争が悪いとか、いいとか、そういう事を言う作品や人に対してはうさん臭さを感じるのですよ。きっとこの人は観念的な事をヒステリックに言っているので、現実を見てしゃべっている訳ではないと。
 結局のところ人間は目の前の状況に対応して生きて行かなきゃならないのです。その切迫感に比べれば、観念的な思想なんて、犬にでも食わせてしまえばいいのです。犬が腹痛を起こすかもしれないから、ごみ箱にでも入れればいいのか。
 リンさんの話に戻すと、きっと大方の慰安婦という人たちはこんな感じだったのだろうと思います。貧乏で、教育も受けられなくて、資本と言えば自分の体だけで、男は肉体労働して食っていかなければならないとしたら、女性は・・・ある意味肉体労働か・・・で食っていかなければならない。保障制度、保護制度の未熟な時代なので、身売りという最終手段を取らざるを得ない。
 んー・・・やっぱり、リンさんのエピソードが切られているのが惜しいです。
 そして、見終わると広島弁がうつっているような気がするのです。二年ほど広島県の西端に住んでいたせいかな?