舟を編む

 原作小説を読みました。

舟を編む

舟を編む

 映画を見てから原作を読むと、大筋は同じなんですが(当たり前だ)、細部が少しづつ異なっています。主人公とヒロインのデートが映画では包丁を購入しに行く、だったのに原作では後楽園遊園地。達筆の恋文を和食料理屋の板前の大将に読んでもらって、恥ずかしかったと怒るヒロインが映画ですが、原作は堅苦しいけれども普通の恋文で、受け取って嬉しいけれども、ちゃんとしたお返事をする為にどうすればいいのか迷っていたという原作。
 それぞれに可愛いのですが、最初に見たのが映画だったせいか、映画の演出の方がインパクトがありますね。辞書『大渡海』監修の松本先生も、映画では紳士然とした加藤剛さんで厳しい感じですが、原作では小柄な好々爺という印象。
 主人公馬締を見出す荒木さんは映画では一旦退職して離れ、病弱の奥さんの世話をして、亡くなってから嘱託で参加してきますが、原作では嘱託で一貫して編集作業に参加しています。
 やはり映画は限られた時間内に、いかに印象深く観客に見せていくのか、という事に重点が置かれていて、そのあたりが効率よくなされている印象があります。
 アニメはPVしか見ていませんが、なんとなーく原作に忠実な様子でして、確かに時間的な余裕はあるので原作の流れそのままにやっていくのがいいのでしょうが・・・映画から入っていると間延びしているような印象があります。
 あ、でも映画では省略されている人間関係も詳しく深く描かれるならば、そちらの方がいいのでしょうね。
 ふぅ。気になっていた事が読めたので良かったですよ。