昨夜は読書に専念
ちょうどコレが読み終るタイミングになったので。
航空宇宙軍史・完全版 三 最後の戦闘航海/星の墓標 (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 谷甲州
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2016/12/08
- メディア: 文庫
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特に、戦争捕虜の『脳』やシャチの『脳』を利用した無人戦闘艦の開発、運営にまつわる話は、やるせない物語ばかりです。組織や腐敗した上層部の都合で切り捨てられていく人々、モノとなってしまったものたち・・・地球上ならば逃亡しても生き残る望みはなきにしもあらずです。空気と水と、食べ物が確保できるなら。
ところが宇宙となるとそうはいかない。そもそも人の力をもってしなければ、食べ物はおろか、空気も水も手に入らない。それどころか『脳』だけになり生体計算機になってしまった人やシャチは、何をどうしても研究材料にしかならず、自由を取り戻す事はできない。彼らが手を取り合って逃亡するならまだしも、ヒトとシャチの間には、シャチにとってヒトに対する不信があるかぎり(不条理に兵器にさせられたのは一緒でも、やはりヒトという種族に対する不信があるのと、ケースバイケースにできるヒトでは判断が異なる)、認識の一致をみる事はなく、互いに『殺し合い』、そして外宇宙で朽ちていく・・・
たぶん二十代に読んでいたら、重すぎてアレでしたでしょうが、加齢した事によって受け入れられるようになりました。ミサイルやビームがない・・・軌道計算と爆雷の散布による戦闘が熱く感じるなんて、ああ、まぁマニアックな・・・第四巻も楽しみでありますよ。