蝉の声のシャワーを浴びる

 この感覚、もうちょっと簡潔に表現できないかなぁ、と毎年考えていますが、あんまり、これだ!!という会心の出来というのはないです。こんなもんなのかなぁ。まぁまた考えよう。
 今週末は土日ともプレイヤー参加で、よそさまのコンベンションにお邪魔します。気楽といえば気楽ですね。難しい事考えなくても良さげな感じ・・・でもなかったかしら?まぁいいや。
 んで読み終わったもの。

know (ハヤカワ文庫JA)

know (ハヤカワ文庫JA)

 これ書いた人、女性のような気がする。いや、なんとなく。主人公の男の立ち振る舞い、他の人、特に女性からの感情が、男ではこういう書き方はしないんぢゃないかな?と、なんとなーく思っただけなので。
 情報化が進み、ついに自分たちの脳に電子葉をつけなければ処理できなくなった近未来。しかしそこにはクラスカテゴリー、格差が存在し、貧困層には情報保護がなく、逆に社会的な地位や情報庁、政治家は保護どころか他人のプライバシーを見る権利さえ与えられている。
 主人公は、そんな世界を一人で構築した天才学者の最後の弟子であり、そして天才学者の平等な情報化社会を夢見て、現実の格差に幻滅し、先生の言葉どおり情報庁の官僚になったけれども、倦怠感に身を任せて権限を悪用したり(好みの女性のプライベート、好みの傾向を確認し、気が合うとみせかけて一夜だけ共にしてグッバイしちゃうという。このアプローチは男では、あんまり思いつかないような気がします)、仕事をさぼったりしていたのですが、失踪した先生からの暗号を発見し、その暗号通りに行動したところから物語は転がり始めます。
 読後感は人が「知る」ことのできる知識が増えて、特別な事ではなく当たり前になっていく、そんな平凡な感覚が嬉しい・・・みたいな。
 時々こういう『幸せ』な近未来ものを読むと幸せな気持ちになりますよ・・・少し犯罪臭がするけど。ま、物語上、いくつも犯罪を犯しているんだから、この程度、いいのか。人の幸せに関する事だもんな。