読み終わったもの二冊

 週末に買ったり読み終わったりしたものです。

 絵本付き買っちゃいました。にゃははは・・・はい。
 今回は悪魔がいっぱい出てましたねー。そしてホムンクルス作成当時のエピソードなんてのも出てきましたねー。あと『教会』のどうみてもどす黒い小母様が、こいつ悪魔ぢゃん?てのと一緒に出てきたりしています。「悪魔を使うならともかく、使われるとは!!」同感ですね。ラスボス感が半端ない。ひゃっはー!!
 来年の発刊が楽しみでござりますよ。
遠山金四郎 (講談社現代新書)

遠山金四郎 (講談社現代新書)

 最近の時代劇ではとりあげられていませんが「遠山の金さん」といえば桜吹雪の刺青入りのお奉行でございやすが、これ、実際に見たという証言はありませんが、噂話で「あったらしいぞ」というのが創作の中で膨らんでいったようです。
 「遊び人の金さん」のイメージはどうやら不安定な青年期にあったようで、この人のお父さんが遠山家の養子なのですが、お父さんが養子に入ったあとに養父に実子ができてしまった、と。実子を出家させるか、もしくは金さんのお父さんの養子にしてしまえば話は簡単だったのですが、平均寿命の短い時代です。養子が実子よりも先に死んだら、実子が跡継ぎにできるぢゃないかー・・・と養父が長生きしちゃいましてね、金さんのお父さんは三十代半ば過ぎまで宙ぶらりんな状態。結婚も養父が亡くなり正式に家を継いでからという・・・現代の感覚からいったら四十代後半で結婚するみたいなもんですね。
 んで義理の弟を養子に迎えて金四郎が生まれて・・・ええっと、また?つまり金さん、義理のお兄さんがお亡くなりになるまでは将来の展望を持てない宙ぶらりんの状態だったのです。
 江戸時代後半も過ぎた頃では役職は家にくっついており、最初の就職は家柄によるか、よっぽど実務に優れていなければ採用されませんでした。金さんのお父さんは試験をトップ成績とるほどの人で、勘定奉行長崎奉行まで出世した人であり、金さんはお父さんの実績により、結構いいスタートラインに立てました。将軍世子(跡継ぎ)近習から務め始め、将軍の信任も厚く、裁判も公正であると評判になり町奉行を務め、天保の改革派とは一線を画した為、大目付という格式はあるけど閑職に回されますが、改革派失脚後は町奉行に復帰、『名奉行』と称えられます。
 しかしそこにたどり着くには義理の叔父であり義兄である人が亡くならなければ、無理でした。自分自身の力ではどうにもならない慣習という奴に縛られて欝々としていたでしょう。そういう時に無頼に走り、刺青を入れていてもおかしくない・・・という事らしいです。実際に見た人が記録に残していないので可能性の話でしかありませんが、幕府のお役人に刺青があり、粋なお裁きをする・・・となれば講談の人気者になりますもんねー。実際はそこまで粋という訳ではなく、改革時代の同僚、鳥居耀蔵の評判が悪すぎたので相対的に評価があがった、とも言えますがネ。
 しかし下僚に慕われていたのは確かで、彼の墓に添えられた石灯籠はかつての部下の寄付で建てられたそうです。なかなかそういう人はいませんね。だから講談の主役になれる訳ですねー。