体育館の殺人

 二作目を読んでからシリーズ一作目を読むやつ・・・

体育館の殺人 (創元推理文庫)

体育館の殺人 (創元推理文庫)

 図書館で探すという手は使わず、文庫本を購入しました。何故か学校に住み着いている(二作目でも明らかにはされていない)高校二年生の、筋金入りのアニオタが主人公。しかもやろうと思えば全教科満点をとれるだけの頭脳がある・・・目立ちたくないから、普段は学年十位あたりをさまよっているらしいが・・・それでも凄いわ。
 正直、もうアニオタならにやりという主人公の台詞、半分も解らなかったので、オイラはもうアニオタぢゃないね。ニッチなアニメしか見ていないからなぁ。
 お話自体はアニオタではなく、とても理知的な謎解きです。何がいいかって、謎解きに動機を考慮していないところがいい。完全に可能性の問題だけで、理詰め、証明を繰り返し、アリバイのない人間から犯罪を犯した可能性のある人間を一人に絞り込んでいく作業をしていく・・・いけすかない主人公が。
 どうもアタクシは金田一耕助のようなお人よしのいい人探偵よりも、ポワロやホームズのようなある意味「嫌な奴」という探偵の方が好きなようです。小気味よく、そして冷徹に犯罪を暴いていくという姿が。しかし冷徹という言葉は冷酷と同意義ではありません。まぁこの主人公は、とても世知辛いですが・・・夏コミの軍資金に二十万って・・・すげいな、オイ。
 続刊の『図書館の殺人』も出ていますね。こっちは図書館で探さないといけないかなぁ・・・