原作小説を読む

 以前見た邦画の原作を読みました。映画の終わりがなんだかすっきりしなかったので原作を読めば、すっきりするかなぁ・・・と。

真夜中の五分前―five minutes to tomorrow〈side‐A〉 (新潮文庫)

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真夜中の五分前―five minutes to tomorrow〈side‐B〉 (新潮文庫)

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 結論から言うと・・・すっきりしなかったというか、映画と描いている視点が異なっているというか・・・
 まず映画は上海が舞台でしたが、原作は東京。映画の主人公は時計の修理工で住み込みで働いていましたが、原作は広告代理店のサラリーマン。しかもそこそこ働ける人で、そしてどうも他人からいい印象を受けない。自分自身も自分が嫌い。全てを割り切って考えているから切れ味がいい人間なんでしょうけれども、それがいい印象を与えないのでしょう。映画の内気ないい人という雰囲気は、内面から見る限りないです。
 映画では一卵性双生児の姉妹に視点をおいており、彼女たちの物語がメインなのですが、原作ではその、自分自身が自分を嫌いという主人公の内面、思考がメインになっています。だから題名が『真夜中の五分前』なのですが・・・これは読まないと解らないか。
 なので、原作は原作の問題が解決されているように見えるので、双子の姉妹については遠景になりがちです。映画で感じたもやもやを原作で解決しようとしたのは間違いであり、そして映画のラストもそれを踏まえて考えるならば、なんとなーく理解できる気がします。
 という事ならば、原作を読んでようやく完結したのかな??うーむ・・・
 恋愛ミステリーSF風味・・・だけど結局・・・やっぱり主人公の内面で解決、完結すべき物語にすると解りやすい、つまり小説の方が解りやすい物語だったかなーっと思います。
真夜中の五分前 [DVD]

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