解りづらい・・・

 息長という言葉に反応して借りてみたけれど・・・

息長氏―大王を輩出した鍛冶氏族 (古代氏族の研究)

息長氏―大王を輩出した鍛冶氏族 (古代氏族の研究)

 日本の古代史は警戒しなければならないと自分は思っています。古墳の発掘調査が進んでいないので、文献資料の裏付け調査が進んでいない。どころか、その文献資料が政治的改竄がなされているものなので、これを一々推測、類推しながら読まないといけないという・・・そしてその読解が研究者によって異なり、もう何が何だかという代物で、迂闊に手を出したくない分野です。
 せめて考古学資料と突き合せれば、もうちょっと解るのに・・・
 んでまぁ、それはともかく、とにかく実在確実と言われる『継体天皇』の出身氏族息長についての本だというので、試しに手に取った次第ですが・・・これが、解りにくい。著者が大蔵省出身の弁護士さんのせいなのか、大変解りにくい文章で、半分読んでやめました。もうちょっと読ませる書き方をしてくれないと、読み続けられない・・・というか、自分が日本古代史の単語をよく知らないせいなのかもしれませんが。
 とはいえだいたいの言わんとしているところは、息長氏は朝鮮半島由来の鍛冶氏族だったらしい。最終的には滋賀県北部、岐阜県西部、福井県南部に勢力圏を持ったらしい。
 ことのついでに大分県あたりから瀬戸内海を経由して彼らがやってきた道を、神社の謂れを調査遡行する事で明らかにし、八幡さまの原型は『応神天皇』ではなく素戔嗚の前身、五十猛であり、これは朝鮮半島からきた鍛冶氏族のあがめる神である。と結論付けたところまでは読みました。
 でもねぇ・・・七十過ぎの研究者の文章は、なーんか好きになれない。論拠を示し、証明し、結論するではなく、なーんか結論ありき、な書き方に読めるんですよ。これはアレですかね。弁護士に対する偏見かな。弁護士に限らず法律に関わる人って、物事を正確に表現しようとして、かえって難解にしてしまう傾向にあるのですよ。
 まぁ日本古代史は鬼門だと、そういう事になっちゃうのかな。