読み終え

 後半一気に読めましたが、長かった・・・

図書館の魔女(下)

図書館の魔女(下)

 お、四月に文庫版が出るんだ。買おうかな・・・分冊されずにソフトカバー版みたいな厚さだった考えるけど・・・片手で持てない文庫サイズの本なんて・・・ねぇ?
 作者の方が『指輪物語』を書いたトールキンと同じ職種、つまり広い意味での言語学者だそうで、なるほど、だからここまで言葉に対する蘊蓄、洞察が行われるのだなぁ、と。
 そういえば3/19からNHKが実写ドラマを放映する『精霊の守り人』の作者の方も文化人類学系の学者さんで・・・そっか、架空世界を構築するには、これくらいの学識と考察力は要求されるよなぁ・・・まぁ守り人シリーズはこれから読むのですがね。
 宦官をテンプレ悪者にするところとか、彼らの権力の源泉を考えると帝と対立した瞬間に、食うか食われるかの闘争に発展するハズなのですが(宦官は皇帝の奴隷、召使なので後ろ盾は何もなく、失寵した瞬間に解任されて権力を失う。それを防衛する為には、宦官は自分たちの意のままになる、つまり子供か、思考欠落者を皇帝にしなければならない。となると、とっとと皇帝を殺すなり、幽閉するなりしなければならない。何十年も皇帝と宦官の対立が続くことはない)、たぶんニザマ帝は宦官に擁立された皇帝で腹心がおらず、老年になってようやく、やっと己の思うように動かせる部下を育成した、という事ですかね?危険ですね。
 他にも用兵の説明で首をひねる場面もありましたが(軽騎兵は早いが、それだけでは牽制か嫌がらせにしかならない。重装騎兵も正面に敵がいないと威力を発揮しないから、まぁどっちもどっちか)策謀の伏線はなかなか面白く、唸りました。
 文庫版を買ってより深く読み直してみたいですね。続編がマツリカとキリヒトのその後を描いてくれていたらいいのですが・・・