久しぶりに映画

 録り置きしておいたこの中国映画を見ました。

 原題は『白昼の花火』で、そっちの方が象徴的で似つかわしい作品でしたね。ベルリン映画祭で受賞した作品らしく、抑えられた演出と音楽。そして薄幸の美女。流れ的には中盤以降だいたい見えてきますが、主人公の刑事→元刑事のイメージが定まらない。映画の冒頭、離婚を突きつけてきた元妻らしき女性と情事をし未練たらたらなのですが、女性の方は「これが最後!!」と、まぁ解る。列車のホームでそんなやりとりをして、滑り止めに使うだろう砂の山に倒れて砂まみれになるという情けない姿。
 死体が工場でバラバラに発見される事件を起き、これを解決する為に容疑者を逮捕するのですが、一瞬の隙をつかれて容疑者に銃を撃たれて同僚は殺され、自分も大けがを負って退職せざるえなくなるのですが、凄惨なんだけど、なんか情けない。
 その五年後。退職した後、飲んだくれの警備員をしている主人公。酔っている最中にいいバイクを盗まれたり、興味本位から昔の仲間の捜査を手伝ったりするのですが・・・その中心に、バラバラ死体となって発見された男の、未亡人の姿がありました。この人が助けたくなってしまうような美人でね。ははーん・・・なるほど。みたいな。
 最後の最後までいい人なのか、情けない人なのか解らない主人公の元刑事のへなちょこな感じが、憎めなくて良かったですね。たぶん、最後に大迷惑な白昼の爆竹・・・花火をビルの屋上からぶちかましているだろうエピソードも。
 泥臭いのに嫌悪を感じない、不思議な感じの映画でした。