真逆のもの

 金曜日には読み終えていましたが、まぁ、昨日はあんなんでした。すんません・・・

恋文の技術

恋文の技術

 全文手紙形式で、様々な人に向かって主人公が手紙を書く体裁をとっています。返信の文はなかったかな?
 しょうもない研究生の愚痴から恋の相談、そして自らの片思いに周囲の人々から、強制的に告白しろよ、と迫られ、しぶしぶああでもない、こうでもないと恋文を練っている、そんな感じです。
 この方の文章は、ほのぼのふわふわ、ほかほかな感じですね。うーむ・・・日曜日の晩にこれを読んでいたら、昨日みたいな事は書かなかったかな?いやもう一冊読み始めていますが、読み始めたばかりですしな。
 次はこれ。 イラク戦争に出征した実在のスナイパーの話を元にした映画らしいです。キロ狙撃手は知っていたけど、二キロ弱先の標的に当てる、だと?実話だとしたらすさまじい話ですね。
 クリント・イーストウッド作品らしく一筋縄ではいかない映画です。そんな『英雄』級の主人公ですが、最初の標的は対戦車手榴弾を持って米軍に接近する若い母親と幼い息子。誰かにそそのかされたのか、復讐心なのか。投擲しようとする子供を撃ち抜き、悲鳴を上げて手榴弾を拾い戦車に向かっていく母親を撃つ。仲間や上司には感謝されるが釈然とできず苦い初陣。
 その後、何度もそんなシーンがやってきます。RPGを構えた民兵を撃ち抜いた後、倒れた民兵を見ていた少年が何を思ったか、そのRPGを拾い上げ構えようとします。彼は引き金に指をかけながらRPGを捨てるよう祈る。捨ててくれなければ少年を撃たねばならない・・・撃たねば・・・で、あわやというところで少年は彼にとって重すぎるRPGを捨て去っていきます。
 正面からの敵軍との戦いではなく、家屋に市民に紛れて襲い掛かる民兵相手の戦いなので、誰もかれも必要以上に精神をすり減らしていきます。彼自身も消耗し、戦友の仇を撃ったところで除隊を決意。しかし精神的な後遺症に悩まされます。それを同じような悩みを持つ退役兵士たちと接し、互いに励まし合う事で克服したにも関わらず、相談に乗った元兵士に撃たれて死亡。
 『英雄』の物語というよりも現代の『紛争』に出征した兵士たちの等身大の姿と苦悩を見るようでした。
 やっぱりイーストウッド作品は好きだなぁ・・・