コミュ障か
そういえば何も知らんな、と思って借りました。
- 作者: 古川隆久,日本歴史学会
- 出版社/メーカー: 吉川弘文館
- 発売日: 2015/09/14
- メディア: 単行本
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その志向は欧米主導の体制を打破し、アジア地域の団結を訴えたものでした。アジアの大半が欧米の植民地になっている当時としては、まぁアジア人としては妥当な主張ですね・・・んが、その手法が「これってコミュ障だよね」というようなもの。だってね。中国にさ「おい、仲間になって欧米に対抗しようぜ。当然ボスは日本だ。あ、その為の経費はお前持ちな。当然だろ?」という事を軍事力という拳でやろうとする・・・まるでジャイ〇ン。
とにかく自分の正義は振りかざすけど、ほとんど交渉の為の摺合せができないという・・・ご本人はそうしなければならないと思いつつも、しかし他人が自発的に納得して行わなければ、そうさせる事はできないという啓蒙主義な考え方でもある近衛は、積極的に働きかける事をしない政治家であり・・・つまりコミュ障に陥るという・・・
不幸な事は、彼の考え方が『大正デモクラシー』では結構支持されており、つまり日本人自身の考え方であった訳で、自分たちの『正義』を押し付けるばかりで他人の『正義』とのすり合わせができず、戦争を解決できず、新たな戦争に突入していくという「僕は悪くない。理解してくれない・・・」と嘆いて破滅していく姿が戦中、敗戦の日本なのだなぁ、とつくづく感じました。
そういった意味では、彼は昭和前期の代表的な政治家なのであったという事ですね・・・