シナリオと小説を書かなければにゃらにゃい
最近ちょっとツイッターの記事を気にしすぎて、その辺が疎かになっている感じがします。そろそろ馬力をかけていきたいところ。小説の構成は仕事中でも考えられるのだし、やらねば、書かねばならぬのよ?
さて読み終えたもの。
東国武将たちの戦国史: 「軍事」的視点から読み解く人物と作戦
- 作者: 西股総生
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2015/09/29
- メディア: 単行本
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伊勢宗瑞という男と、その息子北条氏綱という男の個性がその後の北条氏という戦国大名を形作ったと言えますし、最も完成された『帝国』と言っていい支配機構(主に軍政として)をつくり運営していたところに、北条氏の強さと、そして限界があったといいます。
そしてその地理的状況からも戦略を迷走せざるをえなかった甲斐武田氏の存在が、北条氏を東日本を制圧する存在にさせなかったと言ってもいいかも知れません。そう考えると早期に甲斐源氏の力を弱めておいた源頼朝が幕府を打ち立てる事ができたというのは、逆説的に見て興味深い事実ですね。
その武田氏も、その迷走故に孤立し滅亡します。主敵を織田氏に絞るところを北条との係争まで抱えて、そちらは有利に立てたものの、高天神城の陥落を契機として求心力を失い崩壊していきます。
小田原攻めは、強力な戦国大名同志の膨張主義が、妥協に至らず開戦に陥り、双方が勝算を持っていた事が明らかです。北条の箱根付近での決戦戦略は、自軍の損害を顧みない迅速な箱根山突破を成し遂げた秀吉の戦略眼によって破綻しますが、未だ大軍という足かせを持つ豊臣軍に対して持久戦術は有効でした。大して秀吉は短期決戦を望む故に、北条方周辺拠点の制圧や心理戦を仕掛け、精神的に籠城側を追い詰めていく作戦に切り替えます。
その駆け引きが、軍記物には表現しきれない面白さだなぁと思いました。ああ、面白い本を入手しちゃうから、オイラ、物が書けないぢゃないかー(他人のせいにすんなー