そういえば読み終っていたのあった

 これです。

 最近良く聞いているラヂヲのDJさんの親御さんが、ハワイの方なんですが、五十過ぎから航空機のパイロットになって、その傍ら英訳した作品だそうです。その英訳が密林の電子書籍部門で売り上げ一位になったという事で興味を覚えて、原本が日本語作品なら読んでみようと。
 世代的には自分の祖父母より若干若いぐらいの人で、埼玉の実家では米の飯が食えなかったけど、都会で働いていたら米が食えた事に感動したとか、父親が早くに亡くなった為、学業を一旦断念したけど軍隊に入れば、学んだ上に給料ももらえるとか、パイロットを志して整備士からそちらに転向したとか、小柄だったから一度落ちかけたとか、しごきは厳しかったけど同郷の先輩に助けられたとか、まぁそういうエピソードが一杯です。
 海軍ではアメリカと戦争するなんてバカな、という空気が下士の間にもあったようです。あと、パイロットがパラシュートを装備していない・・・なんだと?物凄い時間と訓練を積み重ねて育成した、もっとも高価な部品といえるパイロットが使い捨てって・・・えー!!そりゃ損耗が激しいに決まっています。熟練パイロットがぼろぼろ死んで、数をそろえても戦力にならない展開になるだろうし。
 著者の方は蒼龍の雷撃隊に属して見えて、真珠湾攻撃にも参加。一隻沈めているようです。ミッドウェーでは辛くも生き残り、その後隼鷹の雷撃隊に。ガダルカナル戦で上官が未熟な大尉さんで、人柄は良かったのですが攻撃に移る前に致命的な旋回をして雷撃隊は著者の機を残して全滅。著者も右手首を失うという致命的な重傷を負い、何とか不時着水させ(すごいね)、ガダルカナルでの飢餓戦を目の当たりにし、まだ駆逐艦の輸送が行えた時期だったので生還できたそうです。
 印象的だったのが、この方が載っていた攻撃機が九七艦攻という『艦これ』では初期配備されている飛行機でして・・・おい、艦これユーザー!!戦時中には天山とか流星なんてなかったんやぞ!!活躍したのは九七艦攻なんやぞ!!まぁ解っていると思うけどネ・・・そんな事を思いました。
 文章的には、まぁ見るべきものはなかったけど、内容は当事者でないと解らない事が書かれてあって、特に蒼龍が沈むところなんかはもう・・・はぁ、そういうものなんですよね・・・