大人買いぢゃないんだよ?

 前から気になっていたコレを買って読破しました。

 新装版はデカいので敬遠していました。どこの本屋さんにいっても一巻が新装版しかない時期があったのですが、先週何気なく覗いたら旧版で一巻がありましてね、とりあえず二巻づつ購入して読んでいこうと・・・だから大人買いぢゃないんです!!(必死の釈明
 ハードSFという事で、一応物語の発端は別のマンガで語られていまして目を通しています。デストピアどころか文明が崩壊して、自動機械による都市構造の無限増殖で月まで取り込んでいる世界って・・・
 ネット世界を利用できる者とできない者に分かれてしまい、できない者は人類とは異なる珪素生物となり、ネットに遺伝子的に接続できる人類を殲滅、ひいては人類を全滅させようとしています。
 ネットに接続できる人間の絶対数は少なかったようで、守るべき人類を認知できない、守れない自動機械たち。そしてネット接続遺伝子を持たない人間を人間と見なさず殺すセーフガードたち。
 そんな中でネットに合法的に接続し人間社会を取り戻そうとしているのが主人公かな・・・と思っていたのですが、どうも主人公は有機的なセーフガードみたいで、ネットが人間を認識し、本来のあるべき姿になろうとしている姿、みたいな?
 その後色々な出来事が錯綜し、最終的には人類を救う方策が示され、哲学的なエンディングイラストで終わる、みたいな?
 みたいな?みたいな?と繰り返しているのは、具体的な説明が乏しく、推測とか印象とかで語るしかないし、たまに出てくる具体的な数字も天文学的過ぎて、これはたくさんとか長い時間と意訳すればいいんだな?程度の解釈でいいかと。
 結局人類が救われたのかどうかは解りません。たった一つの遺伝情報で破滅が救われるかといえば、まぁファンタジーですしな。
 読んでいる途中はSF仕立ての道中もの、というイメージが強かったのですが、破損と修復、様々なデータを取り込むうちに次第に人間性が希薄になっていく主人公たちを見ていると、まぁ結末がこれでもいいのかなーっと思いました。エンドレスでいいぢゃん?
 まぁ『シドニアの騎士』を作者が王道と呼ぶ意味がよく解りました。ここまで感情抑制している作品から比べれば、確かに表現や物語は『王道』ですネ。