映画よりも原作の方が面白かった

 これです。

インシテミル

インシテミル

 アニメ『氷菓』が面白かったので同じ原作者の方の著作物を読んでみました。コテコテの『本格推理物』らしいのですが、入り込みの部分と結末が気に入りました。なんか平凡ぢゃないですよ、コレ。
 アタクシは『本格』と言われるものが荒唐無稽なファンタジーと同列のものだと思っていて、人間ドラマが嘘くさく白けてしまう場合が多いのですが、なんかですね、この作品の場合、ファンタジー要素を冷たく見ている感じがするのですよ。『本格』を楽しむ人たち、危機に陥る人たち、それを観察する人たちっていう分類がなんか面白かったです。
 読んでいるうちに、この舞台装置でなんか映画を見た気がする・・・登場人物の動きが若干違うけど・・・と思っていたら、やっぱり映画化していました。設定とか、人物設定とかかなり変わっていて、見終った後も、あ、そうですか、としか思わなかったのですが、原作を読んだら評価が変わりました。つーか、原作の方が面白いです。
 他の作品も期待できそうですナ。
 も一つ読み終えたもの。
日本古代の王権と地方

日本古代の王権と地方

 なんというか、収録されている論文の時代があっちこっちに散らばっていて、ちょっと読みづらかったです。
 日本の古代と分類される年代は、ヨーロッパでは中世に入る頃であり、中国では南北朝後半から唐の時代って感じですかね?
 文献資料が極端に少なく、しかも様々なフィルターを外してやらないと危ない日本書紀が基本資料なので、大変解りづらいです。考古学の発見がそのまま日本書紀の記述の裏付けにならんというところが、一番のネックですかね?
 もうちょっと中央と地方の関係を明確に説明してくれたら・・・と思うのですが、まだまだそこまで解明されていないという事なのか。
 今回解ったのは、大和王権は連合体であり、意外にも地方の豪族たちも同等に近い権力を持っていたらしいこと。東に関しては、特に血続きの尾張と、海でつながっていた関東とは同盟に近い関係、西向きはより王権内部につながる関係っぽい事が解りましたかね・・・もうちょっと古墳とかの発掘がスムーズに言っていれば、破壊される前に古墳の調査もできたでしょうに・・・宮〇庁、邪魔だな(オイ
 文献による研究に限界がある以上、考古学の発見が重要であるのに、皇室文化の尊重が科学的な解明の前に障害として立ちはだかる例にぶつかると、何ともかんともねぇ・・・