イギリスのひみつ
なーんてほどもないんですけどね、こんな本を読みました。
- 作者: 秋田茂
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/06/22
- メディア: 新書
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この本で理解した事は、実際の軍事力よりもはるかに経済的に支配力、影響力を持った地域が多い事(日本も含まれる)。また、言われるほど『産業革命』は急激なものではなく、徐々に進行したこと。なので大量生産品であるイギリスの綿製品が、インドの高級綿製品を一気に駆逐した訳ではない事。
また、時代によって異なりますが、基本的にイギリス帝国の交易は植民地が第一次生産品(つまり原材料)を他の工業国に輸出し、その稼いだ外貨でイギリス本国の工業生産品を購入するという、一種の保護貿易みたいなことをしていたようです。
イギリスにとってインドの経済的重要性は、何物にも代えられないほど重要で、その工業生産品のほとんどを購入してくれたお得意先であり、また日本にとってもインドの原綿はその近代化、工業化には欠かせないものでした。第二次大戦前にはイギリスを抜き、最大の原綿輸出先が日本だといいます。そしてタタ財閥の前身が、神戸・大阪との窓口団体をつくったりしたりして、その関わりが思った以上に深く歴史あるものです。
自分、大学の卒論はお茶の交易史だったんですけど、これ読んだら原綿の方が面白かったかも知れないと、ちょっと後悔しています・・・って、この研究成果は最近の事ですけどネ。