早寝のつもりが

 ニコ動で『血界戦線』のアニメをちょろりと見ました。演出がカウボーイ・ビバップ風で好きな感じ・・・しかし最初からオリジナルキャラを混ぜてきおった。たぶんこいつら、ブラッドブリードだと思うけど・・・ちゃんと納得できる展開にしてくれるかな?
 それで原作の方がどうだった気になって、一巻からパラパラ読み始めたら、いつもの就寝時間ですよ!!どーしてこーなった?
 まぁいいや。それで読み終ったもの。

皇帝フリードリッヒ二世の生涯 上

皇帝フリードリッヒ二世の生涯 上

 下巻を半年ぐらい前に読んだ後、上巻がちっとも愛知県図書館で借りられず、半ば忘れかけ何年先になるか解らないが文庫版が出るまで待つか心境でいたら、ばったり見つけてしまいました・・・おい?
 それでフリードリッヒ二世の四十三歳までの事績を読みますと、この人は、本当に独学の人だなぁと解りました。父親がまず、母親はローマ法王に彼を託して亡くなりますが、ローマ法王の方は大して彼に注意を払わなかった。それが幸いてして、ガチガチのカトリック聖職者ではなく、シチリアの宮殿で、それも法王ではなくキリストから王冠を授けられた祖父以前のシチリア王の肖像を見ながら育ちます。それが恐らく彼をして「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に」というキリストの言葉をキリスト者としての基本として自分の信条にさせたのでしょうね。「法王が太陽、皇帝が月」と高言し信じたローマ法王ばかりの時代に。
 彼の人生は、その時代と戦い、そして彼自身は負けなかったけど息子たちで敗北したという事です。自分で何でもできてしまう人にありがちな、「自分ができたのだから息子のお前もできるはずだ」を長男にやってしまい、幼い頃に母親、そして教育係の皇帝に協力的な聖職者を失い精神的に不安定で、偉大な父親に反抗する道をとってしまった失敗、つまり後継者の育成に心を払わなかった事が失敗かも知れません。独学で何でも学びものにしてしまった人は、教えられる重要さを知らずに来てしまうものですから。彼自身は良くても、彼の息子は違いますからね。
 中世にあってルネサンスの先駆けとなり、筆記言語としてラテン語ではなくイタリア語を採用した事は、イタリア語を形成する上で決定的な成果です。しかも他の諸侯に比べて圧倒的な軍事力を持っていなかったにも関わらず(税金を安く設定する事で治安の安定を図っていたから)、戦闘で負ける事がなかった人です。
 歴史上の人物でその人に好意を持つ時は、その人の優れた業績とともに、彼の持つ悲劇性に共感できた時です。
 皇帝フリードリッヒ二世は間違いなく、自分にとってそんな人です。