読んだ本のことだけにしようかと思っていました。

 昨夜、録画容量を減らすために見たんですよ。三谷幸喜作、演出の『紫式部ダイアリー』っていう舞台を。女優二人芝居なんですが、舞台は現代ですが、出演していたのが清少納言役の斉藤由貴さんと紫式部役の長澤まさみさん。
 長澤さんはですね、率直にいって人気のある女優さんってイメージ以外なかったのですよ。知り合いの人が『俺の嫁』っていうほど気に入ってみえる理由が解らなかった。外見だけの理由なのかー・・・というぐらい。
 ところが昨夜見た録画の長澤さんは、すごいです。可愛くて意地悪で自信満々な『紫式部』がそこにいるのですよ。自分、TVドラマよりも映画。映画よりも舞台が好きなのかも知れませんが、演劇でその女優さんの実力が解るというか、演劇を経験する事によって俳優さんは力をつけていくものかも知れませんねー。
 斉藤由貴さんはですね、昔よりも昨夜の方が可愛かったです。かつての流行作家で今はあんまりな、紫式部の才能を評価しながらも嫉妬する作家という役どころ。最後のラストシーンの演技が見事でした。確かにアレは技量を要求されるわ。
 終わった後のイタンビューで斉藤由貴さんが「演じる事を取ったら何にも残らない」とご自身の事を評していましたが、正直、自分は今までそんな風に思った事はなかったのですけど、この劇を見たら、確かにすごい女優さんだなぁと思いました。
 ああ、演劇はいいなぁ・・・三谷さんの演出のせいかな?
 そして読んだもの。

上杉顕定 (中世武士選書24)

上杉顕定 (中世武士選書24)

 ドマイナーですね。歴史好きでもあんまり知られていないと思います。関東管領世襲する山内上杉氏の当主で、どうも室町時代の上杉氏はいくつもの分家に分かれており、それが京都の幕府や鎌倉公方に仕えて連絡を取り合っていたようです。んでだいたいこの山内家が主導権を握っていたようですが、この顕定が越後家からの養子で、実父の主導下で、京都よりも一足先に戦乱常態の関東で活躍しました。
 まぁすったもんだの挙句、実父死没後、越後家をついだ実弟長尾為景に殺されたので、再び越後の支配権を自分のものにしようと・・・どうも彼の中では越後家が上杉氏の本家イメージらしかったようなので、それを取り戻そうとして、戦略的に敗北し、陣没してしまったと。
 実は彼の死が上杉氏全体の没落の原因にもなりました。後継者を定めずに亡くなったので、その後継者争いが激化し弱体化。北条氏の攻勢に対処しきれなくなったという感じです。
 ま、そんな感じ。