え、マジ?

 ここで終わるのか、って感じです。

 一巻と二巻がいい展開だったのに、後半がガガガガ・・・なーんか、語りつくしていないって感じ。争奪の的になっているジグリットと中にある『聖櫃』の役割というものが具体的に語られていないし、というか描写がないので、実感がないという・・・まぁジグリットの防衛機構が発動して無差別抹殺というオチはいいですけどネ。
 前半の感触が良かっただけに、後半の失速感が残念でした。むぅ・・・
 あと、まだ読んでいる途中ですが、大変興味深いもの。
殷 - 中国史最古の王朝 (中公新書)

殷 - 中国史最古の王朝 (中公新書)

 中国史上、存在した事が名実ともに確実な最古の王朝『殷』に関するものです。とはいえ、『殷』と後代の周とは若干異なる文化圏であったらしく(その意味で周は西方からの侵入者であったといえる)、甲骨文字にも現在使用されていない、という事は比定できない文字があるので詳しい事は判明していません。しかし、前漢頃、つまり『殷』より千年も未来の時代に伝承をまとめてつくられた文献資料に比べれば、はるかに同時代資料としての重要度が高く、その解析をまとめて解りやすく書いているもの・・・です。
 とはいえ殷は周よりもはるかに緩やかな連合体みたいな王朝らしく、王都周辺のみを直接していたようで、動員できた兵力はせいぜいが三千から五千。主戦力は戦車で平原では威力を発揮するものの、山岳地方にはまったく進出していない。
 自然神、祖先神を信仰していたみたいだ。
 前半は急激に勢力圏を拡大したけど、中期には分裂状態になり、およそ百年で再び統一され、そして絶えず周辺所属との抗争に明け暮れていた、という。まぁその対外勢力との抗争で指揮権を持っていたのが『殷』の権力の実態という感じで、後代の周ともほぼ同じです。ただ周では姓を創設し、姻戚関係によって王朝と諸侯の関係を密にし強固にしていたのが違いらしいです。
 どうも中国史の研究者というのは文献資料を無批判に受け入れてしまいがちであり、あんまり進展しない分野なのですが、最近、自分と同世代の研究者の方々が、文献資料の検討から、なかなか興味深い説を展開されるようになったので、これから面白くなるのかも知れません。
 さて、今日は妹家族の来襲、土日は幻想TRPGさんのお泊りコンです。忙しいですね、ふふふ・・・