風邪は治ったようです

 熱はありません。医者でもらった薬も三日分で「熱があがったら、またおいで」と言われてしまいました。デスヨネー。
 さて、節分な日なのですが、そんな季節行事をぶっちして、今回はコレ。

新装版 寄生獣(1) (KCデラックス)

新装版 寄生獣(1) (KCデラックス)

 最初に友人に読ませてもらったのは、十代後半か、二十代前半だと思うのですが、当時センシティヴなアタクシには受け入れられない内容でした。今はスレてきたので、まったく問題ないのですが、つまり一度読破する事を諦めた作品で、お手頃価格で再版されたので大人買いしたという・・・アホですな。
 実はだいたいのストーリーは知っていますし、エンディングも知っているのですが、正面から向き合って読んだのではないので、今回、全編通じて初めて読んだという事なのですが、作者の方がどちらかというと歴史ものが好きな方ではないかと思うのですよ。アタクシが持っているのは日本史、古代ローマ史の短編ものでして、それで魅力を再確認したという次第。なので、当時恐ろしかった、どことなく人間を突き放したような見方も、今は違和感なく受け入れてます。人を俯瞰して見ていて、それに対して憤りとか嘆きとか悲しみとかは、静かに沈滞していて、それはそれ、これはこれ、という感覚ですかね。
 しかし『寄生獣』たちの由来とか明らかになるかと思っていたのですが、結局それには触れられることなく、彼ら自身が自分たちの種としての脆弱性に気づくものも現れるというところが、この作品の味なのではないかと。まるで人に警告を与える為、だけに発生した一代かぎりの生命体。だから我々は一つなのだとミギーたちはいいます。
 それしか彼らは自分たちの存在意義を見出す事ができなかったという事でしょうかね。
 全編通じてようやく読めて、一つの達成感がありますよ、はい。