心くすぐる

 新潮社から出ている@バンチというコミック雑誌ですが、妙にアタクシの心をくすぐる作品がありまして、これも何か手に取ってレジに向かっていましたよ?

図書館の騎士団 1 (BUNCH COMICS)

図書館の騎士団 1 (BUNCH COMICS)

 『図書館戦争』は読んだ事ありませんが、近代兵器でのやりあいだったら、紙の本なんて脆いものだよな・・・とか思っていてあんまり手に取る気になれなかったのですが、舞台が中世ぽいもの、本の知識が武器であり財産であり、そしてそれを狙う近隣諸国から絶えず狙われている。
 そしてどうも主人公格の面々は戦上手でも『汚名』を着せられた一族であり、そして『知の騎士団』内部でも差別や確執が存在するという、アタクシにとって大変おいしい設定でございます。
 情け容赦なく人が殺しあうところなんかナ(あ
 『軍靴のヴァルツァー』といい、『MAMA』といい、なんかこう、アタクシの好みを図星とか、かすめ飛ぶとか、そういう作品が多くていいですネ!!次巻も楽しみです。
新徴組

新徴組

 佐藤賢一さんの作品は今までフランスものばかり読んでいましたが、日本もの、それもアタクシの知識が手薄な幕末、そして新徴組という知る人ぞ知るという組織を軸にした話です。
 戊辰戦争会津藩は袋叩きにあいましたが、庄内藩は近代化された精強な軍事力によって無敗で和睦します。幕府がフランス式の軍隊をつくったのですが、そちらは機能しなかったのですが、新徴組と庄内藩士からなる見廻組は粒ぞろいの戦士であり、それが真っ当に鍛えられて、戦術眼優れた指揮官に率いられればどういう結果になるか、というものが解るという。
 基本的にアタクシは幕末が好きではないです。なーんかその幕末と日露戦争の美化によって第二次大戦にいたる国民総錯誤が発生したような気がするので。なので維新政府が正義、みたいな記述よりもアンチテーゼのような話の方が好きです。そうするとバランスがとれる気がする。
 90年代とか00年代の佐藤さんの作品は、あんまり好みではなかったのですが、ここ数年に書かれたものはなんか落ち着いてきて、灰汁が抜けた感じになってきており、安心して読める気がします。
 沖田林太郎が『情けない総司の義兄』ではなく、ひとかど剣客、戦士として描かれているのが良かったですよ。