『ドラクエ』の功罪
かなり過激な題名になってしまたが、別に大げさな事を書くつもりではないのよ?ただ、今手に取って読んでいる本の内容から、ちょっとそんな事を思いついただけです。
- 作者: 乾石智子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2011/04/29
- メディア: 単行本
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魔法が生活に根付いている。しかしそれは取扱いを間違えれば、災いとなる。冒頭の主人公幼年期のエピソードで、嫌というほど思い知らされます。だから『ゲド戦記』を連想した訳でして。
しかしそういうジャンルが『ハイファンタジー』と称されるのは、何故なのかなぁと考え込みます。そういえば、ファンタジーというと剣と魔法と、怪物と英雄とお姫様と、そういうものがセットになっているイメージが多かったり、最近はMMOみたいな世界に飛ばされるとか、そういうのが多いですよ、日本では。
でも人の苦悩と成長、そして人間同士の醜さや野心というものを描く上では、あんまり用いられないジャンルなのかしらんとも思ったり。特にファンタジーの主人公は若者が絶対的に多い。それは対象読者の精神年齢(実年齢ではない)に合わせているからなのでしょうかね?
日本でのファンタジーイメージに大きく貢献したのはドラクエ作品群ですが、それを読むと、割と舞台を中世ヨーロッパ風異世界にした『時代劇』に他ならず、そういう意味では『時代劇』というジャンルが姿を変えて生きているとも言えます。
『ゲド戦記』の系譜に連なる作品は、やはり『時代劇』とは異なる訳で、今後、日本でこのジャンルが『児童文学』扱いでなく(これも日本におけるゲド戦記の功罪かな?)、一般人向け本と理解されるようになるのか、ちょっと気になったりしたりします。
この週末で読み切れるかな?