海がきこえる
だいたいの方は、ナニ?という題名だと思うし、解っている方からすれば、今更?今頃?という感じは避けられないのですが、実は初読なんです。
- 作者: 氷室冴子
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 1993/02
- メディア: 単行本
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アニメージュで連載を開始された頃、アタクシは大学生で、その頃はアニメージュを購読していました。氷室冴子さんについては「ちぇんじ」や「なんて素敵にジャパネスク」とかが好きでして、好きな作家さんという印象を持っていたのですが、近藤勝也さんのイラストの雰囲気も好きなので期待していたのです。
ところがですね、それまでの賑やかな雰囲気を期待していたアタクシからすると、なんだか裏切られたような印象だったのですよ。あまりにも生々しくて、当時の自分はリアルな、自分のすぐ隣で起こっているような事象には、あんまり興味を持たなかったのです。
アニメ化もされましたが、結局一度も見ていません。あえて避けていたように思えます。
それから二十年あまりが経過し、日常な些細な事を描いたり読んだりする事にも興味を覚えるようになりました。同人誌で小説書いている事が大きいと思います。何気ない日常こそが面白いと気付くのは。しかしそれでも一度も読みませんでした。こうなると何かのきっかけが必要なのでしょう。
それが先週図書館から本を借りる時だった、というのはあまりにも劇的ではなく、自分らしいというか、こんなものかというのか。
読み終わると、もどかしくて、ふわふわしてしまい、著者のあとがきではありませんが『いい気持ち』になっているのです。もっと早く読むべきだったのか、それとも今だからこういう気持ちになるのでしょうか?
本は既に絶版のようですが、文庫版のデザインは・・・「ダサっ」とか思ってしまったので、たぶん買わなくて正解?徳○ってこういうところがなんか残念な印象が・・・
『思い出エマノン』のように再版してくれる時がくるのでしょうか?もしそうなら近藤勝也さんの淡い水彩イラストで表紙を飾って欲しいと思います。続刊は次に借りて読みます。
いまさらですが、氷室冴子さんが若くして亡くなった事が惜しまれる。遅すぎるけど、そう思える作品でした。