あとかたの街

 昨日書けなかったのはコレです。

あとかたの街(2) (KCデラックス)

あとかたの街(2) (KCデラックス)

 名古屋の空襲の事を描いた、そうですね、ニッチな作品です(オイ
 おがわさんとはコミテイアなどの同人誌イベントで挨拶させていただく間柄でして、時々本を購入させていただいています。東京築地のグルメ本などは「こちとら日曜日しか東京にこないんだよ、コンチキショウ」とか思う事がしばしばです(マテ
 実はこのマンガの展開も、名古屋大空襲の事を描いて、悲惨な情景を描かれたら終わるのかなぁとか思っていましたが、そんな事はないですヨ。空襲前の報道管制された震災の事から、随時随時、航空機工場を中心に空襲が忍び寄る(鋲工場で働いている主人公にしてみれば、まさに日常生活に凄惨な戦争がひたひたと迫ってくる感じ)ところが、ああ、らしいなぁと思い安心しました。
 だいたい空襲みたいな出来事はストーリーのクライマックス的に、一回だけ取り上げられる事が多いと思うのですが、戦争中、何度も何度も空襲は行われている訳で、その都度その都度をお話として取り上げていくのは、とても興味深いです。
 うちは祖母や伯母、父、叔母がその頃、祖父母の田舎である岐阜の羽島に疎開しているので、空襲の事は何も聞いていません。祖父も疎開先で野良仕事をしていたのか、工場で働いていたのか、聞いていません。軍医の身内にカルテをでっちあげてもらって徴兵を免れていた筈なので、たぶん野良仕事ぢゃないですかね、病気療養の名目で。
 と思ったら父親に聞いたら三菱の工場にいたとかなんとか。空襲あっていたのか。しかし法螺話をよくする人だったから、格好つけでそんな事を話したかもしれんし・・・まぁ父親もよく知らんそうです。そりゃそうだわな。終戦の歳は三歳の幼児だったのですから。
 戦後の復興期に衣類の闇市で一山あてて、警察の留置所にもお世話になった事は聞いていますが、戦争中の話はほとんど聞いていません。祖母の弟妹のどなたかが特攻だったか南方だったかで戦死されているのは聞いた事があります。もっと聞いておけば良かったかも知れませんが、あんまり話したがりませんでしたし、七十を過ぎた頃から認知症気味になっていましたしネ。
 次巻が楽しみです。