金木犀のかほり

 先週からだったか、おバカな鼻の持ち主であるアタクシにも、はっきりと金木犀の香りが解るようになりました。うちの庭の金木犀は、ご近所のご立派な金木犀に負けてしまって、例年「香っているのか?」程度だったのですが、今年は花も多く、アタクシでも認識できますデス。
 それはさておき、今読んでいる『室町期大名権力論』という本を読んでいて、昨日の信長の話を思い出しましたが、まぁ表題を裏切って主に大内氏南北朝から室町応仁の乱までの当主の支配形態を論じています。
 その中で大内氏が周防、長門で容赦なく敵対国人、あるいは守護権力を撃破し、その権益を奪っていく箇所がありまして、戦争やったらそりゃ敵対勢力に対して情け容赦ないよね。あと、やはり基本的には一族、譜代を主力とする事にも変わりないです。考えてみれば室町幕府だって足利一族の斯波、細川、畠山、一色と準一族の山名氏、そして南北朝初期より足利尊氏を支持した京極、赤松、土岐の諸氏は中央に入り込んでいますが、それ以外で幕府中枢に入り込んだ大勢力って・・・あんまり心当たりがないですネ。
 という事は信長の権力というものも室町期の延長線にあり、大して革新性があるわけではないという事ですかネ。ただそれが信長の個性なのか、それとも江戸時代からのプロパガンダのせいなのか、苛烈な処置、殲滅戦が特徴づけられています。他の戦国大名も「根切り」なる殲滅戦は行っています。毛利氏は安芸、周防国境の一揆に対してやっていた筈。それが信長だけ、大きく取り上げられるのは、やはり話題性のせいなのですかね。
 昨日の続きが長くなりました。がもう一つ感想。

春秋戦国時代の貴族と政治―宇都木章著作集〈第2巻〉 (歴史学叢書)

春秋戦国時代の貴族と政治―宇都木章著作集〈第2巻〉 (歴史学叢書)

 以前に第三巻を読みました。遡りました。この巻では通説よりも貴族が政界の主導権、専権を握ったのは時代が下る、というような内容です。史記とか春秋左史伝とか戦国策は物語のようなので、そのまま鵜呑みするとアレですよー、みたいな感じ。
 まぁ日本人には古代中国の春秋時代は、ニッチもニッチな時代でござりますが、通説、物語イメージを打破してくれる論文に出会うと嬉しくなっちまう性分なので、はい。すみません。
 面白かったですヨ。