茨、怒っている?

 最近一押しのマンガの新刊です。

 あ、描き下ろし小冊子つきのがあったんだー・・・しまた。購入したものにはコースターがついていましたが。
 一巻最後に出てきた魔術師が当面の敵役?と思ったのですが、違っていました。エリアスとも古い馴染みのようですが、こういう自分勝手な悪役って好きなんですよ。自分は正しい事をやっているとかいう奴とか、ぺらっぺらな三下っぽい奴に比べて、悪いと自覚せずに酷い事をやりまくる『悪魔』のような敵役って。
 理屈で悪事を語る悪党は、なーんか小物に見えます。自分を肥大化させようというか、相手に分かってもらおうとかするところが、なーんか弱弱しく、敵役には不十分、役不足感を覚えます。
 やっぱりね、自分が思い通りにやっていて、邪魔する方が悪い、みたいな見方の悪役がいいですよねー。相手に理解とか求めてなくて、踏みつぶしちゃうぞ、みたいな感性とかね。
 意外にチセの存在というのは脆いというのもいい設定ですよネ。魔力の源泉、もしくは回収機みたいだけど肉体の方がそれについていけずに数年で死に至る。それをどうにかしてやろうというのがエリアスの実験目的なんですが、相手に長く一緒にいてもらうために、自分に依存せざるえない身寄りのない、人生絶望した娘に、『僕のお嫁さんになるんだから』というくだりは、人間ではないエリアスにしてみれば大変合理的な結論だろうと思います。
 人生の伴侶になれってという方が話が早いもんね。数年でダメになってしまう肉体をケアするとなると、つきっきりなんだから。
 最初の巻を読んだ時はそこまで考えなかったのですが、深読みすると面白いですナ。
 今回のラストは敵役の登場ですが、チセ瀕死です。エリアスは怒っているのかねぇ・・・三月が楽しみです。