昨日書くはずだったもの

 まぁマンガの話なんですけどネ。

 一年以上ぶりぐらいですかね。お能マンガです。もう十三年ぐらいこのマンガを読んでいますが、生でもTVでもお能は見た事がないや。一万円ぐらいだせば見れる筈なんですけど、このマンガをとっかかりにして見に行けばいいと思うのですけど、なーんか古典物語の世界に入り込めにくくなっている感じ。神話とか平安末期の戦乱とか、鎌倉時代の話とかあるのですが、史実と違う、とか思ってしまうと入りこめなくなります。
 今昔物語とかが出展なら、完全に物語だからいいのかなぁ。
 マンガは前巻こくったケンちゃんですが、告った彼女とすれちがってなかなか会えなかったり、会ってもなんだか空気が気まずかったり、もやもやもやーんな感じでしたが、そこはそれ少女マンガですから、ご都合・・・いやいや劇的な偶然で氷解し、前よりも親密になったと。ヨカッタネ!!
 殺伐とした物語が好みだったりしますが、時々ほっこりする安心な物語を読むのもよいものであります。なので殺伐した方(あ 塩野七生さんには、文庫版は男性のスーツの内ポケットに入る厚さのサイズが良い、というポリシーがあるのでハードカバー版だと二分冊であったものが、文庫版だと四分冊になっています。
 ローマの覇権が崩壊し、イスラム進出、海賊が横行する十六世紀までの地中海世界を、だいたい地中海中央部からの視点で記述しています。時代、地域的に今までの著作物と重なり合うところが多いです。
 一言でいうと、もどかしい。やるせない。腹立たしい。そういう時代です。最盛期でなくてもローマ時代は問題を把握すると、それに向かって的確に処置していくのですが、イスラムは奪う一方(不信心な連中はイスラムに改宗しないかぎりイヌ扱いでいいノダ)、キリスト教側は足の引っ張り合い(イスラムは殺してなんぼだろ?奴が栄光を得るのは気にいらねぇ)で、まったく爽快感のない話。
 時々一服の清涼剤のようなエピソードはありますが、人間、宗教的正義をかざすと悪魔になれるということ、身勝手になろうと思えばどこまでも身勝手になれること、苦しむのは力なき庶民であるということ、は変わらんのであります。
 一神教のローマカトリックの国にお住いの塩野さんですが、一神教的キジルシが大変お嫌いな感じで、その影響でアタクシも一神教には間を置きたい人です。特にイスラムの原理を信奉する人々は、その教理に従うほど内向的になり他者を殺す方向にしかならない事を知ると、軽く絶望します。
 これが現状なんだなぁ・・・