ピグマリオン症候群

 『シャーロック』第三シーズン見終えて、これはメアリー・ワトソンのお話でしたネ、と。しかしこのドラマに出てくる悪役は、本当に胸糞悪くなる馬鹿者が多いですねー・・・まぁいいか。
 さて、日記の題名に関する読み終えた本。

BEATLESS

BEATLESS

 アニメ誌である(はず)の月刊ニュータイプに一年に渡って連載された作品だそうです。あー、なるほど。だからなんか一章づつに必ずアクションが入る印象なのね。
 二十二世紀の未来ですが、描き方がえらく変わったもんだなーっと。夢のような技術の世界ではなく、全体のインフラが底上げされても、お金持ちは便利だけど、一般人はそうでもないよ、と。
 高校生の中心登場人物すべてに妹が配されているのは、どういう趣向なんだよ、おい。とか突っ込みを入れたくなりますが、まぁそういう雑誌だからな、掲載誌が。
 平凡な『チョろい』お人よし高校生の前にある日突然舞い降りた美少女ロボん。「オーナーになってください」ん?この展開はどこかで見たな・・・まぁ、とっかかりですからネ。
 その後はハードSFな展開とハッピーエンドへ突っ走る感じ。コミカライズしているようですが、まぁカドカワだからさもありなん。物語は安定していて飽きさせませんし、悪役、敵役は例外なく「こんにゃろ!!」とか思っちゃう奴らばっかりです。ロボんが美少女ばかりなのは、掲載誌のせい(またか
 売れたらアニメ化とかしそうだなぁ。となると小説の表紙を飾っているイラストレーターさんのデザインを優先して欲しい。そうじゃないとハードSF成分が抜け落ちる気がするなぁ。はい。
 も一つはこれ。
新書713戦国大名 (平凡社新書)

新書713戦国大名 (平凡社新書)

 戦国大名なる単語を最新の研究成果から定義し、その領国支配、運営の実態を説明したもの。記録が比較的残り研究が進んだ後北条氏や武田氏が論の中心になるのは致し方ない。
 これらの論を読むと、織豊大名と戦国大名の違いは、先進性とかそういうものではなく、戦国大名が独立した王国であるのに対し、信長や秀吉に支配されているのが織豊大名という感じ。逆に後北条氏が最後に滅ぼされたのは偶然ではなく、もっとも完成された『戦国大名』である故に豊臣政権への対応を結果論からしたら間違えた、という事なのではないかと思いました。
 だって織田信長の先進性として取り上げられる事は、ほとんど後北条氏により一世代前にはやり始められているんだもの。では何故信長が天下統一の一歩手前まで進み、後北条氏が地方の大名であり続けたのか、それはもう政治的指向性の違いとしかいいようがないですネ。あとは損耗する兵力を補充する資金力と、求心性。なのかなぁ。
 こうなると、常に手早く動き主導権を握り続けた信長という個性が勝敗を握るのかなぁ、と。よく朝倉義景の優柔不断が言われますが、実は信長の主敵はある時期までは朝倉氏ではなく、本願寺でもなく、三好三人衆であったのではないかと思います。阿波と東瀬戸内海を掌握する三好氏も圧倒的な経済力と軍事力を持っていましたが、三人衆という呼称の通り、重要な核となる主導者が不在でした。それが決定的な要因・・・なのかなぁ・・・どーなんでしょう?