免許更新は半日仕事

 昨日、とっとと行ってとっとと済ませようと午前八時四十五分の開店(?)目指して運転免許試験場にいってきたですがネ、皆さん考える事は同じで、最初の三十分ぐらいに人が集中。おかげで初回の講習が始まった時に写真撮影までが終わるという・・・はい、二回目の講習です。一時間待ちです。
 何の為に早くきたのかわからねー・・・まぁいいか、読書はできたから(え
 という訳で(便利な言葉)、昨日までに読んだもの。

 ハヤカワのSF大賞が二十年ぶりに復活だそうで、その記念すべき第一回大賞受賞作がコレ。人間の人格をAIにコピーした探査機が銀河をさまよっているうちに、自己改造したり、暇つぶしに人工生命体をこさえたり、自分をコピーしてばらまいていたりしたら、収拾のつかないトラブルが起きて、どうもその原因は持病の糖尿病が起因しているのか、主人公からみて飢餓の塊である彼の彼女、みずはの記憶にあるのではないかという・・・
 糖尿病が原因なのか、ただ単にそういう性格なのか、理由などナシに食べ物を、彼を欲し求める彼女。増幅された飢餓はついに宇宙を・・・ってな感じ。
 考えてみればオーソドックスと言えばオーソドックスな話です。という事はハヤカワSFは、そういうオーソドックスなものを求めているのかしらん?まぁ単発で面白いと作品となると、こういう展開なのかなぁ。
 最近愛知県図書館にまたハヤカワSF小説が増えているのですが、この大賞絡みの作品なのですよネ。こういう催し物がないと図書館でSF作品が増える事はないのかなぁ・・・ふぅむ。
 んで『女の性』的なつながりで、次はコレ。
誰も知らなかったココ・シャネル

誰も知らなかったココ・シャネル

 香水『シャネルNo5』とかで有名なニ十世紀のデザイナー、ココ・シャネルの闇の部分にも焦点を当てた評伝です。闇というか栄光というか、イギリス上流階級との幅広いコネと、それを利用しようとしたナチス・ドイツのイギリス単独講和工作。ただヒトラーが関与していた事ではなく、ヒトラーを排除した後に国防軍が画策したもののようです。
 本名はガブリエル・シャネル。このガブリエルの略称かと思っていた通称の『ココ』ですが、どうも囲い女を意味するココットから来ているのではないか、という説があるそうです。
 貧しい家庭に生まれ、母親の早死にを契機に父親からも離れて修道院で育った彼女。最初の出発は居酒屋のバイトで見初めれて、富豪の愛人の一人になったこと。その後、イギリス人の誠実な富豪に恋人が変わり、彼の後援で自分がデザインする服の店を始めて、それが成功。
 ところがそのイギリス人貴族の愛人は自分だけかと思っていたら(身分違いで結婚できない事は解っていた)、愛人の交通事故死で、もう一人女がいた事が発覚。
 そのショックで愛を求めながら男に頼り切る事を許さない。男に寄り添って欲しいけれども、家庭に、支配されたくないという、当時としては矛盾した性格の彼女ができあがります。
 結局彼女は結婚せず、甥一家を自分の息子や孫のように愛するのですが、その甥が第二次大戦のマジノ線でドイツ軍の捕虜になった事を契機に、ドイツの協力者となりました。といってもドイツの協力者になったら戦前と同じ水準の生活ができるし、どうもユダヤ人=共産主義者という当時のヨーロッパ保守派が抱いていた考えをそのまま彼女も持っていたららしく、ユダヤ=共産化の防波堤になってくれるドイツに対して悪感情はあんまり持っていなかったようです。・・・愛人もできたし・・・当時六十歳を超えていたのに、四十代のドイツ人情報員と愛人関係。枯れてない。枯れてないですよ!!
 まぁ、そのせいで戦後引退みたいた立場にならざるをえなかったようですが、イギリス上流階級とのコネがものをいって不問に付され、彼女自身も必死の隠蔽を行ったので、世間的には限りなく黒に近い白と判断されたようです。
 この著者によって黒だったと判明した訳ですがネ。
 映画の『ココ・シャネル』を見る前に、この本を読んで良かったです。見ちゃったらきっと女性の自立、強い女としての彼女像しか見えていない事になるので。
 いや、十分強いですよ。七十こえてファッション界にカンバックですもん。すげえ人だなぁ。