色んなミステリーがあるものデス

 ミステリーというと殺人とか、強盗とか、テロとか、そういう物騒な事件を扱う場合が多いぢゃないですか。これはそういうものとは一線を画すようです。

 あ、文庫版も出ているんですねー。語り手は若手噺家の奥さん。その落語界の内側で起こるトラブルというか、事件というか、日常的に起こるかも知れないけど決して人死にが出ないものを扱っています。あ、そういえば『謎解きはディナーのあとで』を書いている方もそんなミステリーを書いていらっしゃいますネ。学校もので、探偵役も毎回変わったりして。
 このシリーズもそんな感じで、だいたい脳卒中で倒れて、半ば引退された老噺家・・・といってもまだ六十五の設定ですが、が不自由な口ではなく、仕草で謎解きをしていたようです。
 アタクシが読んだものは四作目で、お師匠さんの病状もだいぶ回復し、最後には復帰の独演会という事で、短い噺をお客さんの前で演じられるまでになっていますが。
 図書館で何気なく手にとり読んでみたまでなので、全体どのような感じなのか良く解らないのですが、アタクシ、落語は割と好きなほうです。ちくま文庫でネタ本をもっておりますからの。ただ噺家さんの演じていらっしゃるのは、あんまり見た事がない。
 今回の、この小説、謎解きもそうだけど同じ題名の噺でも演じる一門、伝えて時代とともに変化していくので、サゲ(オチのこと)もまったく異なる噺になる事もあるらしいです。面白いですネ。
 二十代の頃は面白い話が読みたくてタネ本ばかり読んでいましたけど、演じる噺家さんに注目して、機会があったら見てみたいものです。WOWOWとかでやったりしているからのぉ・・・寄席に行くかどうかは別ですが(ナニ