ジャンプで挑戦的?

 いや、昨日コレを購入したらそんな煽り文句を見つけたので。

 志村さんの新刊です。読みきりから短期連載、そして連載という段階を踏んで単行本化したモノ。相変わらずな痛々しい人々の物語ですが、それなりに幸せ・・・しあわせ?な感じかなぁ。
 一番最後の話なんて女子高校生がさらりと四十代男と不倫して別れた、なんてエピソードを描いており、なんでこんな男と関係したんだろう、って女子高生が自問して後悔するという・・・相変わらずの戸惑いの安定感(オイ
 それはさておき、これがジャンプ改という挑戦的な雑誌のコミックスらしいのですが・・・ジャンプが挑戦だって?
 『ドラゴンボール』を購入していた頃は気にならなかったのですが、『ドラゴンボール』連載中からジャンプの、出版社にとっての安心、安全路線というのが鼻につくようになりました。
 人気のない作品は容赦なく打ち切り。これはまぁ仕方ない。しかし、人気のある作品はどんどん継続していく・・・ん?売れる作品の再生産が企業にとっての至上命令である事は理解していますが『もうちょっとだけ続くんぢゃ』というコメントの後も延々連載が続いていくというのはどうなのよ?
 最初のコンセプトは鳥山明さんの『西遊記』であったのが、パワーエスカレーションの格闘マンガになっていったのは、どうなのよ?まぁ作者と担当と編集のコンセンサスがとれているならば問題ないのですが、『愛と勇気と友情』路線で売っているところが、そこからの逸脱?挑戦を行うというのは、ん?
 確かに志村さんはジャンプの目線からすれば異端ですよ。話の筋もあるのかないのか、オチもあるのかないのか、その辺曖昧で空気感が凄いマンガ家さんなんですけど、そういうタイプの明らかに売れ実績のあるマンガ家さんを引っ張ってきて、描かせて、売れたから連載にって展開の、何処が挑戦なのか、解らない。ジャンプの読者に対する挑戦なのか?
 もちろん志村さんにとっては挑戦ですよ。今まで描いてきた雑誌とはまったく違う環境でしょうから。でも、そういう今までのジャンプ系の無名のマンガ家さんを発掘して育てていくのではなく、ある程度売れる予測の立つマンガ家さんを起用するっていうのは、挑戦なのかね?
 コミティアとか、コミックビームとか、アフタヌーンとか、そういう創作同人イベントとか雑誌の掲載作品が好きな人間からすると、出版社と編集さんの姿勢は、まだ、ぬるいですネ。
 もちろん、アタクシはジャンプ改という雑誌を読んでおらず、志村さん以外に無名のマンガ家さんが掲載されているのかもしれませんけど、そこに志村さんを持ってくるのは販売戦略の一環なのかもしれませんけど、ジャンプ系の雑誌に対して、なーんか保守的なぬるさを感じている身としては、肯定的に感じられないのです。
 まぁ、完全な消費者立場で言う無責任な非難なんですけどネ。はい。