何故涙が出たのか解らない

 アタクシは、中学からこっち、あんまり涙を流すという事がありません。バイト中にイヤな客をあしらいかねて泣いたとか、そういうのはありますが、感動して泣いたとかは、ほぼない人です。
 それがエンターテイメントで涙をこぼしてしまいました。何故か解りません。ちなみに前回涙を流したのは『Fate/stay night』のセイバーエンディング、つまり最初の物語を読み終えた時でした。

 アメリカ大統領で、恐らく一番人気のある人でしょう。実際の人間像を知ると、積極的な奴隷制廃止論者ではないし、人種差別を持っている人でもあります。
 つまり急進的な人ではなく、その生きた時代においてバランス感覚に優れていたという、政治家としては必要なものを持っていたのでしょう。
 物語の焦点は南北戦争の勃発や経過でもなく、有名なゲティスバーグの演説でもなく、奴隷制否定を憲法に明記する修正案の可決を巡る駆け引きです。
 憲法の修正には上下院それぞれの2/3の賛成が必要とされており、選挙で勝利した与党共和党でも単独では確保できません。それで民主党議員の切り崩しをしていくのですが、現金による買収以外ならなんでもやっていきます。それでも芳しくない。選挙に破れて失職する議員に対して公職を餌に切り崩しを図っているみたいです。どうも選挙に破れると直ちに失職するのではなくて、会期が終わると議員でなくなるらしいです。
 その中に、当時の人々の思想、思惑、様々な状況が入り込み、その苦難の末に修正案が可決されます。
 何故だろう。その瞬間の歓喜に何故か涙がこぼれました。別に特に感情が動いた様子はなかったのですが、ボロボロ涙がこぼれてたまりませんでした。
 良く解らないけど、映画を見て泣いたという話を聞くたびに、自分にはないな、と思っていましたが、そうでもないらしいと感じました。
 歳のせいかなぁ(あ