もっかい読んだ・・・気がする

 これです。

戦国誕生 中世日本が終焉するとき (講談社現代新書)

戦国誕生 中世日本が終焉するとき (講談社現代新書)

 別に『戦国爆誕!』とかそういう見栄を切っている訳ではないのですが、前にも書いたと思うのですけど、やっぱり興味深いので、もっかい。
 ぶっちゃけて言えば、戦国とは権威が下落し実力本位の社会になったということ。その原因は権威が世の中の交通整理を行えなくなってしまったこと。そして交通整理ができなくなった理由というのは、権威を持っている者の指図が信用ならないモノになってしまったと言う事もでき、じゃあその権威を信用できないものにしてしまったのは誰なのか、というと、時の最高権力者である足利義政に他ならない、そういう話ですネ。
 足利将軍という存在は、義満の時代をピークに、守護大名と将軍の牽制、綱引きでどちらが有利になるか、という事で強くもなり、そうでもなくなり、という感じに見えます。たぶん義満の跡を継いだ義持がその地位につけたのが、有力守護大名たちの支持ナシでは難しかったという点が大きいと思いますが、しかし将軍の立場からすれば、自分に権威も権力も集中したい。その為に色々と手を打つわけです。
 やりすぎて、ぬっ殺されてしまったのが六代将軍足利義教ですが、義政はその義教の息子です。当然父親がしたようにやろうとするのですが、性格が優柔不断というか流されやすいというか、不定見というか、とにかく権力者がやってはいけない『朝令暮改』を繰り返すのです。
 しかも通説と異なり、最後まで自分の権限を手放そうとしなかった。政治に関われば関わるほど混乱が激しくなるというのに、自分の息子が将軍になっても諸々の権限をなかなか移譲しないという困ったちゃん。
 要するに政治センスが乏しいのに、政治をやりたがるという人でした。
 この人の存在なくしては、足利将軍の権威失墜はなく、幕府の混乱、無力化もなかった訳で、つまり彼は戦国時代の生みの親と言える訳です。
 皆さん、評価しませうね(え