ばらばらジャンル読書感想

 まずは固い方。

謎の古代豪族 葛城氏(祥伝社新書326)

謎の古代豪族 葛城氏(祥伝社新書326)

 固いと言っても新書だから一般向けなんですけどネ。
 自分は古代の天皇継体天皇以前は神話のくくりだよねー、と思っていたのですが、考古学的発見から、必ずしも古事記日本書紀の記述が全否定される訳ではないと知りました。個人名とか系図とかそのまま信じる事はできませんが、豪族単位の動向なら、裏づけできた記述は信用してもいいか?という感じ。
 葛城氏は古代の天皇(古代の名称は大王とかアメシラスノミコトとか言っていたらしいけどネ)と婚姻を結び、葛城氏との姻戚関係を持たない天皇は地位を安定させる事が難しかったようです。
 葛城氏は奈良盆地南西部を本拠地に持つ内陸豪族なんですが、和歌山あたりの紀氏、岡山あたりの吉備氏、京都周辺から琵琶湖畔に勢力を持つ和邇氏、息長氏、また東海地方の尾張氏とも提携し、海運を握り海外、朝鮮半島との交渉を一手に握っていたようで、進んだ文物や鉄などを入手していたようですから、そりゃ強力ですわな。
 天皇家はそれを克服し、海外交渉権を一手に握る為に、各地の豪族と葛城氏との連携を断ち、最終的にこれを滅亡させますが、安定的に権力を握る事ができず(たぶん葛城氏配下の諸族からボイコットでもされたのかも)、内部抗争の末に断絶し、血統的には遠縁の継体天皇を引っ張ってきてようやく安定を見る、という経緯らしいです。
 まぁ葛城氏が大きな力を持った源泉は解りましたが、んじゃあ天皇はナニを持って天皇家という権威を持ちえたのか、それが解らない。どう考えても天皇家よりも葛城氏の方が力を持っているように見えるので、その辺りが知りたいですネ。
 そして柔らかい方。 前巻に続いてタイムパラドックス?タイムトラベルもので、そして今回はちょっとヤバいラストになっております。
 主人公たちが知っている歴史展開とは異なる世界になってしまた?
 さーて、どうなるのですかねぇ。まて次号!ですねぇ・・・何時まで待つん?