歴史というよりファンタジー

 録画していたコレを見終えました。

シュヴァリエ Vol.12 [DVD]

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 史実と違う点がもろもろありましたネ。ロシアの女帝エリザヴェータが改革派(史実は政治に興味がない)、イギリスのジョージ三世が退位を仄めかしている(精神を煩い人事不省になったりしたけど自発的に退位はしていない)、ルイ十五世はルイ十四世の息子扱いになっている(ひ孫である)、ルイ十六世がルイ十五世の息子扱いになっている(孫である)。
 ロシアエピソードを見終えた時は、この面子で何故フロイセン国王フリードリヒ二世とハプスブルグ家のマリア・テレジアを出して七年戦争ネタを絡めないのかと不思議に思いましたが、主題がフランス革命ならば啓蒙主義君主たちを登場させるのは場が混乱する事になるのでしょうか?
 しかし革命教団が結局『王による啓蒙』『王による秩序』を求める集団なら、彼らの黒幕としてフリードリヒ二世を設定するというのもありではないかと思いますがね。マリア・テレジア、ポンパドール夫人、女帝エリザヴェータという当時の大国を支配、あるいは影響力を及ぼした怖い女性三人を敵に回したフリードリヒが、彼女たちの暗殺、失脚を目論んで革命教団を使い画策する・・・というのがいいんじゃないかと。
 王権護持の虚しさに結論を求めて、悲劇性の強いラストでしたがそれなりにまとめられていて興味深かったです。マリー、アンナが不憫でならぬー。
 だぶんこの作品のプレゼンポイントは、『フランス革命ネタ』と『女装の麗人』にあったのではないかと思います。史実の主人公は女装すると小太りのおっさんが小太りのおばさんになるって程度みたいですけど。
 でも・・・沖方さんは歴史ネタよりもSFネタの方が物語の完成度が高いよなぁ、と思った次第。
 次は・・・『七王国』のブルーレイか、マルドゥック・スクランブルか、どっちを見るかなぁ・・・