いろいろ

 昨日書かなかったのですが、同人誌イベントで良くお会いしていた知人の方が、八月に亡くなっていた事を知りました。小児癌を克服された後、胃腸系の癌と闘っておられた事をMIXIの日記で拝見していました。七月ぐらいから書き込み、更新が途絶えておりどうしたのかと心配していたのですが、先日の文学フリマでようやく事情が解った次第。少しショックでした。遠隔地だし、他に連絡手段もないとはいえ、んー、こういうものなのか、これがネット社会なのかと寂しく感じたりもしました。
 いつもイベントでは白衣を着用して、受験勉強対策の同人誌をつくってみえた?色んな人がいるものだなーと思ったり、良く横浜の崎陽軒の弁当の購入を依頼して食べたりしていました。三ヶ月遅れなんですけど、哀悼を表したいと思います。ご冥福をお祈りします。
 と、それはさておき(さておき?)読んだもの。

李舜臣のコリア史: 秀吉の朝鮮出兵の全貌 (Korean Historical Stories)

李舜臣のコリア史: 秀吉の朝鮮出兵の全貌 (Korean Historical Stories)

 入門としてはそれなりに、でご本人は歴史書を書いているつもりなのだろうけれど記述方式は小説ですネ。日本で言うところの文禄・慶長の役を主に朝鮮サイドから覗いた話です。読んでいると小国の悲哀とかの一言では片付けられない問題が朝鮮にはあるのではないかと思います。
 これがヨーロッパが舞台だと国が統一直後までの新羅だと、諸外国のパワーバランスの上で自国の独立を保持しようと努力している姿があるのですが、李氏朝鮮にはそれがない。日本から侵攻されて危機的状況になると、なりふり構わず明にすがりつくのです。題名にある李舜臣など独力で日本に対抗し、有利に、というかほとんど負けなしに戦う人々がいる一方、国の指導者たちは、自分たちの安全を外国である明に保障してもらおうとしており、戦争で活躍した李舜臣すら自分たちの権力闘争の論理で失脚させる有様。どうみても政権末期であり、その後、良く三百年も持ったなー、と別の意味で感心・・・いや、明、次は清に政権維持を依存していたから支配体制を維持できたのか。
 そういえば末期の朝鮮王国も状況によって清、ロシア、日本と依存する相手を変えていましたネ。合併もその依存が進んだ形だったのではないかと思ったりしたり。
 なーんかねー、今の韓国指導部とドコが違うのか?とか思う時があります。中国だったりアメリカだったり・・・ロシアは今のところないけどネ。
 これは小国云々ではなく、体質なのですかね。一度、客観的に論じられた朝鮮半島史を読んでみたいです。
アードマン連結体 (ハヤカワ文庫SF)

アードマン連結体 (ハヤカワ文庫SF)

 先日読んだ『ベガーズ・イン・スペイン』の著者の方の短編集です。よくあるSF素材を著者の感性で処理して、絶望的にならない、少しほんわかしたような気分にさせてくれる作品集に仕上がっています。・・・日本独自の編集でしたかね?ちょっとしたユーモアも感じられて、読んでいて気持ちよかったです。長編を図書館で探すか、購入?んー・・・
出口のない部屋 (ミステリ・フロンティア)

出口のない部屋 (ミステリ・フロンティア)

 京都出身でフランス留学経験アリの方の、推理モノというかサスペンスというか、類型は『アクロイド殺し』なんですが、途中までその事に気づかない。その仕掛けも楽しかったです。この方の小説も仕方が凄くいいです。またこの方の著作を借りて読もう。
 こういう風に読書が楽しめるのも生きているからこそだよなー。生きている事に感謝であり、亡くなった方の分も人生は楽しまないといけませぬ。生きているものの義務だよね。
 とかなんとか、最初の文章との整合性をとろうとしています。はい。