鼻の奥がツンとした

 かなり強引に見終えました。

 全体を通してみたのは三十年ぶりぐらいでしょうか?映画三部作を見てしまうと、やはり画像のクオリティや、ストーリーの点でTVを修正した形の映画の方がいいナ、と思ってしまい、画像的に残念なTV版から遠ざかっていました。
 今回見直してみると、画像面もそうですがBGMの面でもドラマの後ろで流れていない場面が多々あり、こんなもんだったのかー、と思ってしまいました。しかし当初よりも話数が減ったとはいえ、シナリオはツギハギ感はなく、むしろ冗長な演出が減ってスッキリしたような感じです。
 そしてあのラストシーン・・・鼻の奥がツンツンしてしまいましたよ。ララァとの戦いで「貴方には守るべきものが何もない」と指摘された後だけに、アムロの「ボクには帰れる場所があるんだ・・・」というセリフ、そしてホワイトベースの仲間たちがそれぞれ、彼を迎え入れようと手を広げる姿にホロホロきてしまいました。
 運命に翻弄された少年少女たちが一つにまとまり、最後まで戦い抜いた姿が、見るものの心をつかんだのではないかなーと思います。だってこういうものにありがちな「勝った!!」という高揚感よりも、皆で生き延びた達成感に包まれているラストでしたから。
 自分、冨野アニメはあと『聖戦士ダンバイン』と『重戦機エルガイム』のDVD-BOXを持っているのですが、全体のストーリーとラストが好きな作品は他にないです。
 他の『なんとかガンダム』作品が好きになれないのは、ファースト・ガンダムを意識しすぎて踏襲するけれども、やはり何か異なるものになってしまい、キメラ(奇形)のように感じてしまうからでしょうか?
 その点『ポケットの中の戦争』『0083』『08小隊』『イグルー』は同じ『一年戦争』や戦後を違う切り口から描く事を意識しているので、好きなのだと思います。
 この作品があったから『ダグラム』や『ボトムズ』始め、ロボットアニメ全盛時代が来たのだな、と。今更見直すと、今のアニメとはまったく違う大人な切り口が良いと思いました。
 そうかー、小学二年生の頃、こんなの見ちゃったら、もうアレだよねー自分。だって「家族もいなければ故郷もない」ってアムロに叩きつけられたセリフ、自分の事と受け止めていた自分がいたからなぁ・・・家族も故郷もあるのにね。その頃から『さめたガキ』になったのかな。嫌な奴だなー、我ながら(あ