うっかりしていた

 土曜日のモルゲンステルンさんで「十月はD&D4eの卓を立てようかと思います」とか言っていたのですが、スケジュールを確認したら、十月十二日は竜舞亭第二例会だった。申し訳ない。立卓は十一月以降デス・・・十一月の竜舞亭会場予約をしていないから、確定ではないですけどネ。
 そして読んだもの。

悪王リチャード三世の素顔

悪王リチャード三世の素顔

 文学者の方がシェイクスピアが描いた劇作『リチャード三世』のイメージから、徐々に古い資料に遡り、チューダー朝時代のプロパガンダヨーク朝時代の阿り、それらを外してリチャード三世の素顔に迫るというもの。
 日本においてリチャード三世はシェイクスピアの劇作の影響が大きく、リチャード三世好きは『極悪人の悲劇だから好き』みたいな感じだと思います。自分は文庫本の脚本は読んだ事ありますが、劇自体は通して見た事ないです。山崎努さんが演じているシーンをTVでチラ見したぐらい。
 本の内容からするとリチャード三世は有能な武将であり、当初宮廷争いから距離をおいていたものの、自らの身辺にそれが降りかかった時に、逆クーデターをかますも、自身の地盤や人脈が北部に偏っていた為、ロンドンを中心とする南部や兄である故エドワード四世の家臣団と対立。甥であるエドワード五世を密かに抹殺したという噂(他の悪行は無罪であるけれども、これだけは恐らく有罪)も決定的になり、リッチモンド伯ヘンリーの攻撃を受け、決戦で自らの勝利と正義を勝ち取ろうとするもの戦死した、という。
 読んでみて頭に浮かんだのが『氷と炎の歌』第一部がばら戦争になぞらえられる意味。ばら戦争?と思っていたのですが、ロバート・バラシオン王がエドワード四世、ラニスター家が王妃の一族ウッドヴィル、エダード・スタークがヨーク公としてのリチャード三世だとすると、結構状況が似ています。
 ただ、リチャード三世は彼を年少王の摂政に祭り上げて、実権を奪おうとしたウッドヴィル一族にカウンターをかまして、王位についたのですが、エダート・スタークはお人よしなので王妃一族に逮捕されて斬首されてしまうのですが。
 しかしこのあたりの政変を丹念に追っていくと、スリリングなサスペンス劇になって面白いです。もしもエドワード四世が不摂生で早死にしなかったら、リチャード三世は北部総督のヨーク公として、それなりに活躍したのだろうしなぁ。対スコットランド戦では無血勝利する手腕を見せているし、北部の支持率は大変高かったらしいので。
 まぁ不摂生で女好きで豪放な性格がエドワード四世であり、前向きポジティブだからこそ、ばら戦争を始めた父ヨーク公の戦死後も、フランドルの支援で何度も再起し、王位をつかんだわけですから、違う性格なら亡命地で客死していかねない状況ですからね。
 歴史は面白いなぁ。