イスラム情勢は複雑怪奇

 少しでも状況が知りたくて読んでみました。

 五年前の人物評で、しかも現役の人たちの事も書いているので、却って時代遅れになってしまっているという奴。
 一章を儲けられているリビアカダフィ『大佐』はとっくに失脚、お亡くなりになっているし、イランのアフマディネジャド氏は大統領ではなくなっているし。まぁ仕方ないといえば仕方ないけど。
 ざらっと読んでいると、イスラム世界の主要な登場人物は二種類いて、権力を握ると、とにかく利権確保に一族あげて走り、そういう人は欧米と親しい関係を結ぶので一般の人たちから見ると『腐敗した政治家は欧米と仲良し』という負のイメージがついてしまう。
 それと対極に位置するように見えるのは、イスラム原理主義の人々で、目線は貧困保守派なので、欧米=悪という単純化された価値観を振りかざしています。まぁ実際に隠微な形で凄惨な殴り合いを演じているのだから、そうならざるをえない。
 イスラムキリスト教徒と似ている教義があり、貧困層への喜捨、同じムスリムとしての同胞、助け合い精神というものがあり、原理主義の人たちは自分たちの支持基盤である貧困層を為に利益をもたらす事を積極的に行っています。彼ら自身の財布状況はうかがい知れませんが、産油国から支援をもらっているのだから、清貧って事はないと思う。
 どうもイスラム圏の人々は民主主義という体制がもたらす結果(腐敗した政治家)というものに目がいってしまい、結局のところどんなシステムでも運営する人間次第であり、民主主義、選挙というシステムを自分たちが使いこなせていないという事を理解しているのかどうか、とか思ったり。
 まぁ日本でも使いこなしているのかどうか良く解らないですけどネ。
 こういう事は人間の品位が問われる問題で、欧米と結びつく政治家には、それが不足しているのかも知れませんねー・・・権力を失う=死、となる政治風土が一番問題なのか?それとも殺さないと政権交代にならないところが問題なのか?
 うーむ・・・