下克上は経済上のこと
戦国時代は下克上の時代といいますが、実はコレ、経済上の問題の事ではないかと、ぼんやり思ったりするのですよ。税を徴収するのではなく、目下の者から目上の者への『贈与』という形で経済が回っていた室町期と異なり、実際に富を掌握したもの(税を徴収した者)が実力、そして社会的地位を向上させたのが戦国時代じゃないかしらん・・・とぼんやり考えたりしたりして。
昨日、ふとそんな事を思いついたのは、コレを購入したから。
- 作者: 平野明夫
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2010/05/07
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この本の著者によると源氏である事はもちろん、時宗の僧侶というのも粉飾らしく、どうも兄弟で行商を行っていた者が、三河の分限(土地の金持ち)に婿入りし、事業を拡大、不動産買収し土豪となっていったという経緯だそうです。この話は前に図書館で借りて読んだ時に、日記に記載しましたが。
あ、さて、松平氏の先祖が経済的に実力を蓄えた一族というところから、あれ?そういえば以前にも宇喜多氏も黒田氏も、どうも商人から土豪になったみたいな話を書き、織田信長の一族も津島、熱田という尾張の商業地を支配して矢銭という徴収金を使い、朝廷に多額の献金が行える経済力を持ちました。斎藤道三の親父は油商人から武士になったしナ。
針の行商人出身の秀吉は経済力ではなく、その人脈で立身出世の糸口をつかんだと思うのですが、限られた事例とはいえ、こうやってみると武力よりも前に経済力を身につけた者が戦国時代にのし上がったという事実がある訳で、家柄や規制の秩序を打ち破るのは、武力と財力の二本立てであったのではないかなー、とぼんやり考えたりしたりして。
国人出身の戦国大名の、その前身を調べるというのは、結構面白いと思うでありますよ。長宗我部氏や龍造寺氏はどうなんだろう?浅井氏は読んだ覚えがあるけど、内容を思い出せない。また借りようかな?