橋下さんの発言

 『従軍慰安婦』に関する発言ですが、真っ当すぎるところが批判の対象になっている感じです。別に『従軍慰安婦』がいいものとは言っていないですよね?『従軍慰安婦』と呼ばれた人々を全てひっくるめて人権侵害にあった人々と認識するのが間違っている、という解釈だと思いますけど。
 まぁ、そもそもの問題は一人一人の『従軍慰安婦』がどのような経緯で、そうなったのかを遡行して調べる事ができない状態だ、という事だと思います。つまり、現地軍によって無理矢理ならされた人々なのか、食べる為に他に選択肢がなかった人々なのか、一山当てるつもりでなった人々なのか、現状では区別がつかないのですよネ。日本軍が資料を破棄しやがったせいでね。
 軍隊の性的処理という問題は、表面化しないだけで今もあると思いますし、政治家はそういう微妙な問題を正面から取り上げる事はできないと思うし、敗戦国にはやった事、全てを悪しき事と押し付ける事ができるので、とりあえず非難しとけ、と聖人面して言う人たちもいますしナ。
 軍隊というのは、それ自体が暴力装置であり、どんな国であろうと規律や士気を保てなければ武装した危険なモノになる可能性を秘めています。それをどう調節し、どうコントロールするか、それは軍隊が存在し続ける限りある課題ですネ。
 橋下さんが非難されるのは、一般人の私的意見を公の場で口にしたからでしょうな。それも戦争を裁く裁判で決定した事を覆すような事を口にしたから。
 そもそも戦勝国が敗戦国を裁判で裁くなんて事は、できる筈がない事で、まぁ戦勝国による敗戦国の抑圧と言い換えた方がよっぽど正しい。
 私は旧日本軍を批判します。戦略目的もない泥沼の戦争に国民を指導し、リアリズムに徹しなければならない戦争にロマンチズムを持ち込み、人命を消耗品扱いして死を強要する。そんな指揮官が主流を占めた組織を好きになんてなれない。
 ただ、そういった過去の組織がやらかした事を現在の人間を批判する材料にする事には反感を持ちます。では批判する国々の人々は、真っ白な手を持っているのか?まさか。歴史を誇る国ほど、その手は黒や赤で汚れている筈です。
 ・・・まぁ、そういう事に不感症になれる人間が政治家になれる人間ですからねぇ。ほんとうに○○○なんて、ろくなもんじゃない。
 橋下さんの考え方や論の進め方には正直、賛同できないところがありますが、時々「ぶっちゃけちゃったなぁ」とニヤニヤ思う時があります。こいつはヤバいかもと思うけど、頑張って欲しいとも思うのですよ。