高村さんの作品と思いきや

 先週読み終えたこっちの方を書いてみる。

 氷と炎の歌シリーズの作者が70年代に手がけた最初の長編SFらしいですが、あんまり古さを感じません。訳文が最近だからなのか、それとも作者の作品を最近読んでいるせいなのか?
 舞台は銀河系に広がった人類社会が、異なる二種類の知的生命体と大戦争をやらかし、一つとは和睦、一つとは殲滅戦やり、相手を滅ぼしたものの、人類の政体も崩壊し大分裂し、暗黒時代を経験したあと、らしいです。
 だから登場人物も孤立して何百年も経過した人類同士なので、文化背景がまったく異なったものになり、その異質な格差がトラブルの元になり、そして・・・というお話。
 まぁぶっちゃけると舞台こそSFですが、現代に移してももーまんたいな話です。だから古さを感じないのかも。
 この作者、割と社会的弱者とか内向的というか英雄気質でない人物を主人公にする傾向があるらしいのですが、この物語も途中までそんな感じで、主人公に殺意すら覚えます。昔の別れた彼女が忘れられず、呼ばれたからホイホイ出ていって、本人にあってみたら既に別の男と結婚みたいな状態。全然未練はないわよ、と大ショックな事を言われて落ち込んだり、迷ったり、挙句がちょろりと考えれば裏が解る様な策略にひっかかって、命がけの逃避行をする羽目に。
 ・・・読むのが大変だった・・・ムカつ・・・いや、いやいやいや・・・
 最後の方は何とかシャッキリし、自分の運命は自分で切り開くのだ!!という感じでしたが、なるほど、氷と炎の歌もこんな展開になる可能性があるのね・・・いや、壮大な大河物語の結末がそれなら、怒るよ?(え
 まぁハードボイルドSFとして、面白かったですけどネ。