面白い
古いSFを読むと設定で苦笑いする事が度々ですが・・・アシモフの『ファウンデーション』なんか原子力で銀河帝国つくっちゃうんだぜ。凄いよ1940年代の人類!(そういう問題ではない)、この本は80年代に書かれたせいか、そんなに違和感はなかったです。
- 作者: ジョージ・R.R.マーティン,George R.R. Martin,酒井昭伸
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商うのは遺伝子操作で生み出された動物、植物、微生物等々。それで惑星規模の環境に問題のある星に行き、その環境を『改善』する為に生物を放ち、その見返りをいただくという商売。環境エンジニアリングというらしいですが、顧客の方もあくどいというか、えげつないというか、身勝手というか。
まぁこういう取引相手ばかりなら、こうもなるよな、という物語。
特に三部作になっているス・ウスラム人たちとの取引は、もう読んでいると連中はバカか、としか思えない連中。産めよ、育てよ、地に満ちよ、をそのまま実践し高度な科学力に支えられて野放図に人口を増やした結果、一つの星系に400億というアホみたいな人口になり、食糧問題でひーひーいっている人たち。根本的な解決は出生制限であるのは明白であるのに、そんな非人道的な事はできんと拒否し、タフが訪れる度に食糧問題を改善してあげるのですが数十年延ばした筈の飢饉の危機を、野放図な出産、あるいは嗜好の問題で台無しにした挙句、タフの遺伝子貯蔵船を寄越せ、奪うぞ、みたいな事を言う。
最後にタフがキレて(冷静な男なのでそうは見えない)、まぁ最終的解決をしちゃうのですが、読み手としては、もっと早くやっちゃえばいいのに、とか思ってしまうぐらい嫌な奴らなので、まぁ、ねぇ?
キリスト教徒じゃないあっしとしては、何をガタガタと・・・と思うのですけど、彼らにしてみれば重要な問題なんでしょうね。そういえばアメリカのキリスト教右派は妊娠中絶を今も禁止にすべきだ、と言っているもんね。心情的には解らんでもないけど、経済的な問題で育てる事が難しいと、結局母子で悲惨な結果になるのに。それをどうにかするのは気力と運ですが、それに恵まれない人たちだっているんですからねぇ。
『氷と炎の歌』と同じ作者の方ですが、結構自分には合っています。他の日本語訳されている作品も読んでみようかな?