そういえば、あんまり知らない
日本では中国の歴史物ファンはいても、朝鮮半島の歴史物ファンはあまりいないみたいですネ。最近は韓流ドラマのおかげで関心がある人がいるのかも知れませんが、しかしまぁ、歴史ファンタジーにしかなりませんからな、歴史ドラマは。
という訳で、入門編の気持ちで読んでみました。
- 作者: 姜在彦
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2006/09/01
- メディア: 単行本
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それだけに朝鮮半島と日本の、近代史での決定的な差に対する無念というか、近世朝鮮の内ゲバが、欧米に対抗する手段を失わせたという残念な気持ちが伝わってきます。そして、日本が列島という世界の辺境にあった地理的条件に恵まれた事を羨んでいます。
確かに、近世まで日本にとって文明は大陸からやってきました。朝鮮半島の勢力は時に中国への対抗処置として日本と結び、また海賊として襲来する日本に対抗する為、中国の王朝と結んだりしました。常にどちらかの勢力を意識せざる得ないストレスは日本にはないものです。
また中国の王朝との距離感も重要です。荒波で隔てられた日本と、地続きの朝鮮半島としでは温度差が違います。
近世朝鮮の悲劇は、同じような思想の中国では数百年前に起きた事であり、近代の中国は融通というものを身につけていたけれども、海の向こうからきたものはとりあえず受け入れる性格の日本人とはやはり異なります。
これはもう、その民族の性格によるとしかいいようがないのかも知れません。良いか悪いかではなく。
ハングルに対する考えもそうで、考え出された李氏朝鮮時代は庶民の文字であり、支配階級はそれを習得しようとせず、ここに階級間の意思疎通が難しくなかった原因の一つがあります。自然派生的にかな文字ができ、そのかな文字を使いこなす階層が支配勢力となった為に、階級間の意思疎通に問題の少なかった日本とは、この点も異なります。
今はハングル一辺倒になってしまい、それもそれで問題があるらしいです。戦後の日本でも漢字なんか使うな!減らせ!という極端な考えがありましたから、それを徹底してやってしまったみたいですネ。
多少は朝鮮半島の人々の物の考え方が解ったような気がします。あくまで気分的なものですがネ。